魔王領運営ゲームの30日後分岐を考える|クロイルの方針提示 制作記その5

魔王領運営ゲームの30日後分岐を考える|クロイルの方針提示 制作記その5

前回は、魔王領運営ゲームの初回襲撃と防衛について整理した。

黒霧の森、廃村、旧鉱山で素材や人材や情報を集める。
それを小洞穴に持ち帰り、罠や施設を作る。
そして、財宝や素材の気配を嗅ぎつけた盗賊たちが、最初の襲撃者としてやってくる。
その初回襲撃で、ここまでの遠征や拠点づくりがちゃんと試される、というところまで。

今回はその続きとして、初回襲撃後の30日後分岐について考えていた。

30日後分岐といっても、ここでいきなりルートを固定するわけじゃない。

今の魔王領が、どの方向へ進みやすいのか。
何が強くて、何が弱いのか。
どの勢力に見つかり始めているのか。
どの問題を先に処理すべきなのか。

それを側近のクロイルが分析して、プレイヤーに方針を提示する場面にしようと思った。

30日後分岐はルート選択画面ではない

最初に決めたかったのは、30日後分岐を「どのルートへ行きますか?」という選択画面にしないこと。

ゲームでよくある分岐として、ここでAルート、Bルート、Cルートを選ばせる形もある。
でも、今回の魔王領運営ゲームでは、その形にすると少し味気ないと思った。

このゲームでやりたいのは、プレイヤーの行動の積み重ねで魔王領の性格が変わっていくこと。

黒霧の森に通って魔物を増やしてきた人。
旧鉱山に通って防衛施設を固めてきた人。
廃村に通って人間側の情報や保護対象に触れてきた人。
財宝ばかり集めて、守りが少し甘くなっている人。
捕虜を多く抱えて、内部管理が不安定になっている人。

こういう違いがあるなら、30日後に出る提案も変わった方が自然。

だから30日後分岐は、固定ルート選択ではなく、これまでの行動から見えてくる方針提示にしたい。

クロイルが魔王領の状態を分析する

30日後分岐では、クロイルが魔王領の状態を分析する。

クロイルは側近であり、魔王領の管理者でもある。

だから、プレイヤーが何となく進めてきた結果を、少し冷静に整理してくれる役割が合う。

ここで見る項目は、思っていたより多くなった。

  • 財宝量
  • 脅威度
  • 防衛力
  • 捕虜数
  • 保護対象の数
  • 特殊捕虜の有無
  • フォムの反応
  • 黒霧の濃度
  • 盗賊側の注目度
  • 教会調査度
  • 王国警戒度
  • 他魔王勢力の動き
  • 勇者側の進行度

もちろん、ゲーム画面で全部をそのまま数字として出す必要はないし、
プレイヤーには、もっと分かりやすい言葉で見せた方がいい。

たとえば、クロイルがこういう感じで報告する。

「財宝の蓄積は順調です。ただし、それに伴い外部からの注目も増しています」

「防衛設備は最低限整っていますが、居住区と保護区の安全性には不安があります」

「廃村で回収した聖印らしきものについて、フォムが継続して反応しています」

「旧鉱山方面の探索が進んでいるため、罠工房の拡張が可能です」


こういう報告にすれば、数字を見なくても魔王領の状態がなんとなく分かる。

分岐ではなく、傾向が見える

30日後に見せたいのは、分岐先そのものではなく、今の魔王領の傾向

たとえば、財宝を多く集めていて、防衛もそこそこ整っているなら、財宝防衛寄り。

黒霧の森に通って魔物卵や黒霧結晶を多く集めているなら、魔物強化寄り。

廃村で教会の痕跡や偽聖印らしきものに触れているなら、教会調査寄り。

捕虜や保護対象を多く抱えているなら、内政や管理寄り。

旧鉱山を重視しているなら、罠や鍛冶、防衛強化寄り。

こんなふうに、今の状態から自然に伸びやすい方向が見える。

プレイヤーは、その提案に乗ってもいい。
あえて逆の方向へ伸ばしてもいい。

ただし、今までの積み重ねがあるので、得意な方向と苦手な方向は生まれる。

ここが大事だと思った。

完全に自由だと、何をしても同じになってしまう。

でも固定ルートにしすぎると、プレイヤーが選択する自由が狭くなる。

だから、30日後分岐は「進みやすい方向が見えるけど、まだ固定ではない」くらいがちょうどいい。

財宝防衛ルート

まず分かりやすいのが、財宝防衛ルート。

財宝を多く集めていて、盗賊や外部勢力から狙われやすくなっている場合に見えてくる方向。

このルートでは、魔王領を財宝の保管庫として強化していく。

宝物庫を奥に置く。

通路を長くする。

罠を増やす。

財宝の気配を隠す施設を作る。

あえて偽の宝物庫を置いて、侵入者を誘導する。

こういう方向が考えられる。

財宝を集めればできることは増える。

でも、そのぶん狙われる。

だから、ただ稼ぐだけではなく、守ることまで含めて考える必要がある。

これは巣作りゲームとして分かりやすい方向なんじゃないかと思う。

黒霧・魔物強化ルート

黒霧の森へよく通っていて、魔物卵や黒霧結晶を多く集めている場合は、黒霧・魔物強化ルートが見えてくる。

これは、魔物を育て、黒霧を使い、魔王領そのものを少しずつ魔物寄りにしていく方向。

魔物部屋を拡張する。

魔物の育成施設を作る。

黒霧を濃くして、侵入者を迷わせる。

フォムの反応を見ながら、魔物との相性を探る。

この方向は、戦力としては強くなりやすい。

ただし、魔王領が外から見てより危険な場所に見えやすくなってしまう。

つまり、教会や勇者側からの警戒も上がりやすい。

強くなるけど、目立つ。

この緊張感が出せたらいいなと思う。

旧鉱山・防衛強化ルート

旧鉱山を重視している場合は、防衛強化や罠工房の方向が見えてくる。

鉱石、魔石、罠素材、古い工具、魔力炉の痕跡。

こういうものを使って、魔王領の守りを固めていく。

石壁を作る。

鉄扉を作る。

落とし穴を強化する。

魔力罠を作る。

罠工房を拡張する。

採掘ゴーレムや防衛ゴーレムにつなげる。

この方向は、ゲーム的にも分かりやすい。

遠征で素材を取る。

拠点に戻って防衛施設を作る。

襲撃でその施設が働く。

このループが成長を感じさせてくれる。

一方で、防衛に寄せすぎると、外の情報や人材が遅れるかもしれない。

魔王領の防衛としては硬いけど、世界の動きに気づくのが遅れる。

そういう弱点も作れる。

廃村・教会調査ルート

廃村で教会の痕跡や偽聖印らしきものに触れている場合は、教会調査ルートが見えてくる。

これは、序盤から世界観の重要な方向になりそう。

ただし、ここは明かしすぎない。

最初は、聖印らしきものにフォムが反応する。

廃村に不自然な痕跡が残っている。

教会関係者の動きに違和感がある。

そのくらいで十分。

30日後の時点では、クロイルが「調査継続の価値あり」と判断するくらいがちょうどいい。

ここでいきなり教会の闇を全部説明すると、もったいない。

プレイヤーには、「これ、ただの聖印じゃないのでは?」という疑問を持たせたい。

その疑問が、後の白冠教会や偽聖印の話につながっていく。

捕虜運用ルート

捕虜を多く抱えている場合は、捕虜運用ルートが見えてくる。

魔王領らしいけれど、扱い方を間違えるとただ暗いだけになる部分でもある。

捕虜を労働力として使う。
情報を聞き出す。
交渉材料にする。
再契約して雇う。
保護対象と捕虜の違いをどう扱うか考える。

このあたりは、魔王領の性格が出てくる。

ただし、捕虜を単なる資源として扱いすぎると、主人公の「自分らしく生きる」という軸とぶつかる。

だからここは、ただの効率要素ではなく、方針が問われるルートにしたい。

捕虜をどう置くかで、クロイルの提案やフォムの反応、他キャラの会話も変えられそう。

内政・療養ルート

廃村で保護対象を連れ帰ったり、負傷者を助けたりしている場合は、内政・療養ルートが見えてくる。

これは、魔王領を単なる戦闘拠点ではなく、人や魔物が生きる場所として育てる方向。

保護小屋を作る。
療養室を作る。
共同食堂を作る。
住居区を整える。
衛生や水場を改善する。

一見すると地味。

でも、長く続く魔王領にするならかなり重要。

戦うための拠点だけではなく、戻ってくる場所、休める場所、逃げてきた者を置ける場所にしていく。

この方向を伸ばすと、後半の大きなルートにもつながりそう。

ただし、内政に寄せすぎると防衛が弱くなりやすい。

守るものが増えるのに、守る力が足りない。

この危うさも出せる。

引きこもり平和ルート

少しギャグ寄りの方向として、引きこもり平和ルートも考えている。

これは、外へあまり攻め出さず、小洞穴や魔王領の内側をひたすら整えていく方向。

できるだけ目立たない。

襲撃も避けたい。

人間側や教会側との接触も最小限にしたい。

魔王なのに、なるべく静かに暮らしたい。

こういう方向。

ただ、完全に引きこもるだけだとゲームが止まってしまう。

だから、平和を維持するために逆にやることが増える形にしたい。

見つからないように偽装する。

噂を操作する。

侵入者を傷つけずに追い返す。

周辺の脅威を早めに処理する。

目立たないための努力が必要になる。

このルートは、シリアスにもギャグにも寄せられるんじゃないかと期待している。

他魔王対抗ルート

他魔王勢力の痕跡を拾っている場合は、他魔王対抗ルートも見えてくる。

主人公だけが魔王ではない。

他にも魔王格や魔王勢力が存在している。

最初のうちは遠い存在でも、魔王領が育ってくると少しずつ関わってくる。

他魔王から見れば、主人公の魔王領は新しく生まれた小さな勢力。

潰す対象にもなるし、利用する対象にもなるし、取り込む対象にもなる。

30日後時点ではまだ本格的に戦う必要はない。

ただ、「外には盗賊や教会だけでなく、別の魔王もいる」という気配を出せると、世界が広がる。

このルートは中盤以降に効いてきそう。

クロイルの提案は最大3つくらいがよさそう

30日後分岐で大事なのは、提案を出しすぎないこと。

候補を10個も並べると、プレイヤーは迷う。

だからクロイルが提示する方針は、最大3つくらいがよさそう。

たとえば、こういう形。

  • 財宝防衛を優先する
  • 旧鉱山を深掘りして罠工房を強化する
  • 廃村の聖印の違和感を調査する

または、別のプレイならこうなる。

  • 黒霧の森を進めて魔物戦力を増やす
  • 保護対象のために療養室を整える
  • 盗賊の情報源を追う

同じ30日後でも、プレイヤーの行動によって提案が変わる。

これができると、かなり自分の魔王領感が出る。

クロイルは「このルートに行け」と命令するのではなく、「現状ならこの方針が現実的です」と提案する。

その提案に乗るか、あえて外すかはプレイヤー次第。

このくらいの距離感でいい。

ルート名はゲーム内では隠してもいい

記事では分かりやすくするために、財宝防衛ルートや捕虜運用ルートと書いている。

ただ、ゲーム内でこの名前をそのまま出すかは少し考えた。

最初から「あなたは財宝防衛ルートに入りました」と表示すると、少しゲーム的すぎる。

本当は、クロイルの報告や提案を聞いて、プレイヤーが何となく方向性を感じるくらいでいい。

たとえば、「財宝の蓄積に対して、防衛設備が不足しています」と言われる。

それに対応して宝物庫や罠を整えていく。

結果的に財宝防衛寄りになる。

この方が自然。

ルート名は、内部管理や制作メモとしては使う。

でもゲーム内では、状況や会話で分かるようにする。

その方が没入感は高そう。

30日後分岐で見えてきたこと

30日後分岐を考えたことで、このゲームの序盤から中盤への流れがかなり見えてきた。

最初は小洞穴から始まる。

黒霧の森、廃村、旧鉱山へ遠征する。

素材や人や情報を持ち帰る。

初回襲撃で防衛を試される。

その結果を受けて、クロイルが魔王領の状態を分析する。

そして、次に進みやすい方針が見えてくる。

この流れがあると、プレイヤーは「何となく遊んでいた結果、自分の魔王領の方向性が見えてきた」と感じられる。

ここを重要にしたいと思った。

最初からルートを選ばせるのではなく、行動の結果として方向性が立ち上がる。

この形にできれば、周回した時にも違いが出しやすいんじゃないか。

次にやること

次は、白冠教会と偽聖印まわりをもう少し整理したい。

その1でも少し触れたけれど、白冠教会はこの世界でかなり大きな存在になる。

本物の聖印と偽聖印。

下級教会員が本物だと思い込んでいる偽物。

フォムが感じ取る違和感。

廃村に残る痕跡。

こういう要素を、序盤からどう出すか。

ここを整理すると、教会ルートや偽聖印の話がかなり見えやすくなりそう。

ただし、明かしすぎるとゲーム内の違和感が弱くなる。

だから次回は、どこまで記事に書くかも含めて考えたい。

まとめ

今回は、AIと一緒に企画している魔王領運営ゲームの制作記録その5として、30日後分岐とクロイルの方針提示について整理した。

30日後分岐は、固定ルートを選ぶ画面ではない。

これまでの遠征、施設、防衛、捕虜、保護対象、財宝、教会の痕跡などを見て、今の魔王領がどの方向へ進みやすいかをクロイルが提案する場面にしたい。

財宝防衛。

黒霧・魔物強化。

旧鉱山・防衛強化。

廃村・教会調査。

捕虜運用。

内政・療養。

引きこもり平和。

他魔王対抗。

こういう方向が、プレイヤーの行動によって少しずつ見えてくる。

最初からルートを選ばせるのではなく、遊んだ結果として魔王領の性格が立ち上がる。

この形にできれば、かなりこのゲームらしくなりそう。

次回は、白冠教会と偽聖印まわりを整理していく予定。

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