前回は、魔王領運営ゲームの導入について設定を詰めていった。
主人公は、本来なら先々代魔王から続く旧領に魔王核を接続するはずだった。
でも、その旧領の魔力などが異常に薄くなっていて、うまく定着できない。
そこで側近のクロイルが主人公を小洞穴へ退避させる。
そこから、生き残るための巣作りが始まった。
今回はその続きとして、小洞穴から最初に向かう遠征先を考えていた。
魔王領を育てるには、素材が必要になる。
防衛するには、罠や壁や魔物が必要になる。
人を受け入れるなら、食料や寝床や保護施設も必要になる。
つまり、拠点の中だけを見ていてもゲームは進まない。
外へ出て、何かを拾って帰ってくる必要がある。
そこで、序盤の遠征先として考えたのが、黒霧の森、廃村、旧鉱山の3つ。
この3つを最初の遠征先にすることで、素材、人物、罠、防衛、教会、人間側の情報などを少しずつ出せるようにしたいと思った。
初期遠征先は3つにする
最初の遠征先は、あまり多すぎてもよくない。
最初から5つも6つも行ける場所があると、選択肢が多いようでいて、逆に何をすればいいのか分かりにくくなる。
だから、序盤は3つくらいがちょうどいいと思った。
- 素材を集める場所
- 人や情報に触れる場所
- 防衛設備を作る場所
この3つがあれば、ゲームの基本的な方向性を見せられそう。
それで整理したのが、以下の3つ。
黒霧の森
廃村
旧鉱山
黒霧の森は、魔物や自然素材に関わる遠征先。
廃村は、人間側の事情や保護対象、教会の違和感に関わる遠征先。
旧鉱山は、鉱石や罠、防衛施設に関わる遠征先。
この3つを最初に置けば、プレイヤーは「どこに行くか」で、自分の魔王領をどの方向へ伸ばすかを少し選べるようになる。
黒霧の森
黒霧の森は、魔王領の外側に広がる、薄暗い森。
ここでは、木材、獣素材、毒草、魔物卵、黒霧結晶のようなものが取れる。
序盤の素材回収先として一番分かりやすい場所になる。
木材を取れば、簡易施設や柵を作れる。
毒草を取れば、罠や薬に使える。
獣素材を取れば、防具や食料にできる。
魔物卵を拾えば、魔物部屋や育成要素につながる。
黒霧結晶は、魔物系の施設や黒霧関連のイベントに使えそう。
黒霧の森は、序盤から何度も行くことになる遠征先になる。
毎回同じ結果ではなく、森の奥へ進むほど少しずつ危険度が上がる。
でも、そのぶん取れる素材や見つかるものも変わっていく、そんな場所。
最初は、木材や毒草を拾うだけ。
少し進むと、魔物の卵や黒霧結晶が見つかる。
さらに奥では、妙に静かな場所や、普通の魔物ではない気配が出てくる。
こういう段階にできれば、単なる素材マップではなく、
少しずつ世界観が見えてくる場所にできると思った。
黒霧の森のゲーム上の役割
黒霧の森の役割は、序盤の資源供給と、魔物系ルートへの入口。
ここに行くと、拠点の最低限の材料が手に入る。
入口の柵を作る。
簡易罠を作る。
魔物部屋を作る。
毒罠を作る。
黒霧系の施設を開放する。
こういう方向へ目を向けるようになる。
また、黒霧の森は、お供のスライムであるフォムや、魔物系の分岐とも相性がいい。
森で拾った魔物卵をどう扱うのか。
育てるのか。
素材として使うのか。
逃がすのか。
拠点に置くのか。
こういう選択の積み重ねで、魔王領の性格が少し変えていけたら面白そう。
序盤のプレイヤーにとっては、「まず素材が欲しいから黒霧の森に行く」という分かりやすい場所。
でも、進めていくと、単なる素材集めではない何かが見えてくる場所にしたい。
廃村
2つ目の遠征先は、廃村になる。
ただし、ここは完全な無人の村ではない。
支配している国の記録上は廃村になっている。
でも実際には、隠れて生きている者、逃げ込んだ者、動けなくなった者が残っている。
この設定にしたのは、序盤から「魔王領に人をどう受け入れるか」を考えられるようにしたかったから。
魔王だからといって、人間を見つけたら全員捕虜にするわけじゃあない。
助けるのか
見逃すのか
捕らえるのか
働かせるのか
交渉するのか
保護するのか
このあたりを、序盤から出していくことで、いろいろな選択肢があることを意識してもらいたい。
廃村では、食料、少額財宝、人間側の情報、教会の痕跡、負傷者、保護対象などが見つかる。
また、仲間になる人物や、後々重要になる人物との出会いもここに置こうと思っている。
ここをうまく作れれば、魔王領が単なるダンジョンではなく、
「人が流れ着いてくる場所」になっていく感じが出せる。
廃村のゲーム上の役割
廃村の役割は、人間側の事情と、保護・捕虜・情報の入口。
黒霧の森が素材の遠征先だとしたら、廃村は人間側の現実に触れる遠征先。
ここに行くと、魔王領の運営方針について考えることになる。
食料を持ち帰るのか。
生存者を連れて帰るのか。
教会の痕跡を調べるのか。
村に残された財宝を回収するのか。
怪しい聖印をどう扱うのか。
こういう選択ができる。
この遠征先では、戦闘よりも判断を重めにしたい。
もちろん盗賊や獣、教会関係者などと遭遇することはある。
でも、廃村の本体は「何を見つけて、どう扱うか」になる。
人間を捕まえるだけのゲームじゃない、人間側にも事情がある。
教会側にも本物と偽物が混じっている。
善意で動いている人間もいるし、悪意なく害を出す存在もいる。
そういう複雑さの入口として、廃村は使えそうだなと思う。
偽聖印の違和感
廃村では、白冠教会や偽聖印に関わる違和感も少しずつ出したい。
ただし、最初から全部を説明するわけじゃない。
序盤では、「聖印らしきものがある」「フォムが変な反応をする」「魔物にとって嫌な気配がある」くらいでいい。
ここでプレイヤーに、なんとなく違和感を持ってもらう。
本物の聖印なのか。
魔物だから嫌がっているだけなのか。
それとも何かがおかしいのか。
このあたりを、すぐに答えを出さずに残したい。
その1でも少し触れたけど、白冠教会の本物の聖印と、偽聖印は似ているけれど意味が違う。
序盤ではその違いを明確には出さず、フォムの反応や村の状態から、「何か変だな」と思わせるくらいにできたらいい。
廃村は、その違和感を置く場所としてぴったりだ。
旧鉱山
3つ目の遠征先は、旧鉱山。
ここは、領地の防衛力を伸ばすための遠征先。
鉱石、魔石、石材、罠素材、金属片、古い工具、魔力炉の痕跡などが見つかる。
黒霧の森が自然素材
廃村が人間側の情報
旧鉱山は、拠点の防衛と工房系の素材
こういう役割分担になる。
旧鉱山に行けば、石壁や鉄扉、落とし穴、杭罠、魔力罠、ゴーレム系の要素へつながる。
序盤の防衛力を上げたいなら、かなり重要な場所になってくる。
ただし、旧鉱山は暗くて狭く、事故も起きやすい。
落盤
毒ガス
古い魔力炉の暴走
放置された採掘ゴーレム
盗掘者
何かを掘り当てた痕跡
こういうイベントも置ける。
単に鉱石を拾うだけではなく、奥へ進むほど「この鉱山はただの鉱山ではなかった」と見えてくるようにしたい。
旧鉱山のゲーム上の役割
旧鉱山の役割は、防衛施設と工房の入口。
ここに行くことで、魔王領の守りが強くなる。
石壁を作れる
罠工房を作れる
金属罠を作れる
魔力炉の修復が進む
ゴーレム系の防衛施設が見えてくる
黒霧の森に行くと、素材と魔物が伸びる。
廃村に行くと、人と情報が増える。
旧鉱山に行くと、防衛と工房が強くなる。
この3方向がわかってくると、プレイヤーが序盤から選択肢が少し増えて、迷うことができる。
次の襲撃に備えるなら旧鉱山。
施設を増やすなら黒霧の森。
人間側の情報を追うなら廃村。
このくらいの選び方ができると、遠征先の意味が出る。
3つの遠征先で見せたいこと
初期3遠征で見せたいのは、このゲームが単なる素材集めゲームではないということ。
もちろん素材は必要。
でも、それだけではなく、遠征先ごとに違う問いを置きたい。
黒霧の森では、魔物や自然素材をどう使うか。
廃村では、人間や教会の痕跡をどう扱うか。
旧鉱山では、拠点の防衛をどう固めるか。
それぞれの遠征先が、魔王領の方向性に関わる。
どこに多く通うかで、拠点の育ち方が変わる。
どの素材を集めるかで、作れる施設が変わる。
誰を連れて帰るかで、拠点内の会話や事件が変わる。
この形にすることで、同じ序盤でもプレイヤーごとに少し違う魔王領になっていくと思う。
遠征は毎回少し変わるようにしたい
今回のゲームは、ローグライト寄りの構造にしたい。
遠征そのものは毎回セッション制で、行くたびに少し状況が変わる。
同じ黒霧の森でも、毎回まったく同じ道ではない。
同じ廃村でも、見つかるものや遭遇する相手が少し違う。
同じ旧鉱山でも、落盤している場所や拾える素材が変わる。
ただし、完全なランダムだけだと物語性が薄くなる。
だから、ランダムイベントと固定イベントを混ぜようと思っている。
何度でも起きる小イベント。
特定条件で出るイベント。
一度だけ起きる重要イベント。
周回や進行度によって変わるイベント。
このあたりを組み合わせられれば、同じ遠征先でも毎回少し違って見えるはず。
たとえば黒霧の森なら、毒草採取、魔物卵発見、迷子魔物、黒霧濃度上昇、謎の足跡。
廃村なら、空き家探索、負傷者発見、教会の置き土産、盗賊の痕跡、生存者との交渉。
旧鉱山なら、鉱石採掘、落盤、古い罠、採掘ゴーレム、魔力炉の異常。
こういうイベントを少しずつ増やしていきたい。
遠征と魔王領の往復
大事なのは、遠征だけで完結させないこと。
遠征で拾ったものが、魔王領に戻ってから意味を持つようにしたい。
黒霧の森で木材を拾ったから、保護小屋を作れる。
旧鉱山で鉱石を拾ったから、罠工房を作れる。
廃村で負傷者を連れて帰ったから、療養室が必要になる。
偽聖印らしきものを見つけたから、調査室が欲しくなる。
こういう形で、遠征結果が拠点づくりに影響してくる。
逆に、拠点が育つと遠征先でできることも増える。
療養室があるから、負傷者を連れ帰っても対応できる。
罠工房があるから、旧鉱山で見つけた仕掛けを解析できる。
魔物部屋があるから、魔物卵を育てられる。
調査室があるから、教会の痕跡を分析できる。
この往復ができることで、かなりゲームらしくなってくると思う。
遠征で何かを拾う。
戻って施設を作る。
施設があるから次の遠征で選択肢が増える。
このループを、魔王領運営ゲームの中心にできたら面白くなりそう。
初回襲撃への準備
初期遠征を考えると、自然に初回襲撃も見えてくる。
プレイヤーは、最初の数回の遠征で何を集めるかを選ぶ。
黒霧の森へ行って素材を集める。
廃村へ行って人や情報を得る。
旧鉱山へ行って防衛素材を集める。
その結果、初回襲撃への備えが変わる。
罠が多い魔王領。
魔物が多い魔王領。
人手はあるけど防衛が弱い魔王領。
素材はあるけど施設が足りない魔王領。
財宝だけ多くて狙われやすい魔王領。
こういう違いが少しずつ出てくると面白い。
初回襲撃は、プレイヤーに「ここまでの選択がちゃんと効いている」と感じてもらう場面にしたい。
勝っても負けても、次はこうしようと思えるようにしたい。
そのためにも、初期3遠征はかなり重要になりそう。
ここまでで見えてきたこと
その3で初期遠征先を整理してみて、このゲームの基本ループがかなり見えてきた。
小洞穴から始まる。
遠征先を選ぶ。
素材や人や情報を持ち帰る。
魔王領を少し育てる。
次の遠征でできることが変わる。
そして襲撃で、ここまでの育成方針が試される。
この流れができれば、ゲームとしてかなり分かりやすくなってくる。
特に、黒霧の森、廃村、旧鉱山の3つは、序盤のプレイヤーに役割の違いを伝えやすい。
素材が欲しいなら森。
人や情報を見たいなら廃村。
防衛を固めたいなら鉱山。
このくらいシンプルに入りつつ、奥に進むとそれぞれ重い設定や伏線が見えてくる。
そんな形にしたい。
次にやること
次は、初回襲撃か、30日後分岐について考えていきたい。
初期遠征で集めたものが、どう防衛に反映されるのか。
財宝をどれくらい持っていると狙われるのか。
捕虜や保護対象がいると、襲撃や内部イベントにどう影響するのか。
側近のクロイルが、どのタイミングで方針を提示するのか。
このあたりを詰めると、ゲームの序盤がかなり見えてきそう。
個人的には、初回襲撃がかなり大事だと思っている。
ここで「遠征で集めたものがちゃんと効いた」と感じられないと、巣作りゲームとして弱くなる。
だから次回は、初回襲撃と防衛まわりを記事にできればと思っている。
まとめ
今回は、AIと一緒に企画している魔王領運営ゲームの制作記録その3として、最初の遠征先を整理した。
黒霧の森は、自然素材と魔物系の入口。
廃村は、人間側の事情や教会の違和感の入口。
旧鉱山は、防衛施設や罠工房の入口。
この3つを小洞穴からの初期遠征先にすることで、序盤から魔王領の育て方に違いを出せそう。
遠征で拾ったものが拠点に残り、拠点が育つことで次の遠征の選択肢が増える。
この往復が、このゲームの核になると思う。
次は、初回襲撃と防衛まわりを詰めていく予定。






