魔王領運営ゲームの初回襲撃を考える|遠征と防衛がつながる制作記その4

魔王領運営ゲームの初回襲撃を考える|遠征と防衛がつながる制作記その4

前回は、魔王領運営ゲームの初期遠征先について整理した。

小洞穴から向かう最初の遠征先として、黒霧の森、廃村、旧鉱山の3つを考えた。

黒霧の森は、木材や毒草、魔物卵などを拾える自然素材と魔物系の入口。

廃村は、人間側の事情や教会の違和感に触れる入口。

旧鉱山は、鉱石や罠素材、防衛設備につながる入口。

この3つを回りながら、魔王領を少しずつ育てていく。

今回はその続きとして、序盤の初回襲撃と防衛について考えていた。

遠征で素材を集める。
拠点に戻って施設を作る。
そして、実際に襲撃される。

この流れがないと、巣作りゲームとしては少し弱い。

素材を拾って施設を作るだけでは、まだ「育てた拠点が役に立った」という感覚が出にくい。

やっぱり、自分が作った罠や施設や配置が、実際に侵入者を止めた時に気持ちよさが出る。

だから、序盤のどこかで初回襲撃を入れる必要があると思った。

初回襲撃はチュートリアルではなく、最初の確認試験

最初の襲撃は、単なるチュートリアル戦闘にはしたくない。

もちろん、プレイヤーに防衛の流れを覚えてもらう役割はある。

でも、それだけだと「用意された戦闘を見せられているだけ」になってしまう。

初回襲撃でやりたいのは、ここまでの選択がちゃんと効いていると感じてもらうこと

黒霧の森に多く行っていたなら、木材の柵や毒草罠、魔物系の防衛が少し強い。

旧鉱山に行っていたなら、石壁や落とし穴、金属罠が使いやすい。

廃村に行っていたなら、人手や情報はあるが、防衛設備はまだ弱いかもしれない。

こういう違いが出ると、プレイヤーは「自分がどこへ遠征したか」がちゃんと反映されていると感じられる。

初回襲撃は、ゲーム側が用意した固定イベントではある。

でも、その結果はプレイヤーの準備によって少し変わる。

ここを作れれば、巣作りゲームとしてかなり気持ちよくなりそう。

なぜ襲撃されるのか

防衛イベントを入れるなら、なぜ襲撃されるのかも必要になる。

魔王領だから襲われる、だけでも一応は成立する。

でも、それだと少し雑になる。

今回は、小洞穴に財宝や素材が集まり始めたことで、周辺の盗賊や荒くれ者に目をつけられる流れが自然だと思った。

主人公は、最初は大きな魔王城を持っているわけじゃない。

小さな洞穴に、少しずつ資源や財宝を運び込んでいるだけ。

でも、周辺から見ればそれでも十分に目立つ。

  • 森で素材を集めている
  • 廃村から何かを持ち帰っている
  • 旧鉱山で鉱石を拾っている
  • 洞穴の入口に旗や柵が立ち始めている
  • 妙な魔物が出入りしている

そういう噂が少しずつ広がる。

そこで、最初に来るのは勇者ではなく、盗賊や小規模な略奪者となる。

いきなり勇者が来ると話が大きくなりすぎる。

序盤は、主人公も魔王領もまだまだ弱い。

だから最初の敵も、世界を背負った正義の使者ではなく、「財宝があるなら奪えるかも」と考える現実的な敵にした方がいいと思った。

財宝は防衛対象であり、誘因でもある

魔王領ゲームでは、財宝をどう扱うかもかなり大事になってくる。

財宝は、プレイヤーにとっては資源であり、成長の証でもある。

でも同時に、襲撃を呼び込む誘因にもなる。

財宝が多いほど、できることは増える。

施設も作れるし、取引もできるし、人材を雇うこともできる。

ただし、財宝が多いほど狙われやすくなる。

ここに少しリスクがあると面白そう。

プレイヤーは、財宝を集めたい。
でも、集めすぎると脅威度が上がる。

財宝を隠すために宝物庫を作る。
宝物庫を守るために罠を作る。
罠を作るために旧鉱山へ行く。
防衛施設を作ると、今度は領地として目立ってくる。

こういう循環ができる。

魔王領を育てることは、強くなることでもある。

でも同時に、周囲から見つかりやすくなることでもある。

このバランスは、ゲーム向きだと思う。

初回襲撃の敵は盗賊でいい

初回襲撃の敵は、盗賊団がちょうどいい。

理由は分かりやすい。

  • 財宝を狙ってくる理由がある
  • 規模を小さくできる
  • 敗北しても即ゲームオーバーにしなくていい
  • 捕虜や尋問、情報入手にもつなげやすい

勇者や教会兵がいきなり来ると、世界観の本質に近づきすぎる。

でも盗賊なら、序盤の噛ませ役として使いやすい。

盗賊が来ることで、プレイヤーは防衛の基本を覚えていく。

  • 入口に罠を置く
  • 財宝庫までの道を長くする
  • 魔物を配置する
  • 捕虜牢や保護小屋を奥に置く
  • 通路を広げるか狭めるか考える

こういう拠点づくりの意味がなんとなくわかる。

また、盗賊を倒した後の扱いも分岐にできる。

追い払うのか。
捕虜にするのか。
情報を聞き出すのか。
労働力にするのか。
見せしめにするのか。
再契約して雇うのか。

このあたりは、魔王領の性格を作るうえでも使えそうだと思ってる。

防衛は見て楽しい形にしたい

防衛イベントは、できれば結果だけ表示するのではなく、簡単な神視点のように見せたい。

たとえば、盗賊が入口から入ってくる。

最初の通路で落とし穴に落ちる。
毒草罠で足が止まる。
柵を壊そうとして時間を使う。
その間に魔物が横から攻撃する。
奥へ進んだ盗賊が宝物庫の前で足止めされる。
最後に主人公側の防衛力で押し返す。

こういう流れが、短くても見えると面白い。

プレイヤーは、自分が置いた罠がちゃんと働いたことを確認できる。

逆に、守りが薄い場所から侵入された時も、「あ、ここが弱かったんだ」と分かる。

結果画面だけで「勝利」「敗北」と出るより、どこで止めたのか、どこを突破されたのかが分かる方が次に活かしやすい。

これがゲームでやりたかった部分だしね。

防衛ゲームは、負けても納得できることが大事。

何が悪かったのか分からない敗北はストレスになる。

でも、「入口が薄かった」「宝物庫までの通路が短すぎた」「罠が足りなかった」「魔物が少なかった」と分かれば、次は直そうと試行錯誤できる。

防衛力は数字だけにしすぎない

防衛力をどう見せるかも考えどころ。

単純に、防衛力100、盗賊戦力80だから勝ち、というだけだと少し味気なくなる。

もちろん内部計算では数字が必要なんだけど。

でもプレイヤーに見せる時は、もう少し感覚的にしたい。

  • 入口防衛
  • 通路妨害
  • 罠火力
  • 魔物戦力
  • 宝物庫防衛
  • 捕虜牢の安全
  • 住居区の安全

こういう項目に分けると、どこが弱いかが見えやすい。

たとえば、総防衛力は高いけど、宝物庫前が薄い。

罠は多いけど、通路が短くて発動回数が少ない。

魔物はいるけど、入口に寄せすぎて奥が弱い。

保護小屋が入口近くにあって危ない。

こういう形にすると、拠点づくりの意味が出る。

ただ強い施設を置けばいいのではなく、何をどこに置くかで領地の防衛力が変わってくる。

とはいえ、細かすぎると面倒になる。

だから、普段はクロイルが無難に自動配置してくれる。

プレイヤーは大まかな方針だけ選べる。

たとえば、防衛重視、財宝重視、捕虜保護重視、魔物配置重視、罠重視。

やり込みたい人は手動で触れる。

このくらいのバランスにしたいとAIにお願いしてる。

クロイルの自動運営

このゲームでは、側近のクロイルがかなり重要になる。

クロイルは、ただの説明役ではない。

魔王領の管理のほとんどを任せられる存在にしたい。

プレイヤーが細かく施設配置をしなくても、クロイルが無難に調整してくれる。

  • 入口が弱ければ、簡易罠を置く
  • 財宝が増えたら、宝物庫を奥に寄せる
  • 捕虜が増えたら、牢を拡張する
  • 保護対象がいるなら、危険な場所から少し離す
  • 素材が足りなければ、必要な遠征先を提案する

こういう補助あると、ゲームがかなり遊びやすくなる。

ただし、クロイルに任せきりだと、プレイヤーが何もしていない感じになる。

だから、クロイルは基本を整えてくれるけど、尖った方針や特殊な配置はプレイヤーが決める形にしたい。

たとえば、あえて宝物庫を目立つ位置に置いて囮にする。

捕虜牢を奥に置かず、交渉用の部屋に近づける。

魔物部屋を入口近くに置いて迎撃型にする。

保護小屋を安全圏に寄せて、防衛よりも保護を優先する。

こういう配置は、プレイヤーの方針として出せると面白いんじゃないかな。

負けてもすぐ終わりにしない

初回襲撃で負けた場合、どうするかも大事。

いきなりゲームオーバーにすると、序盤の試行としては厳しすぎる。

特にこのゲームは、遠征と防衛を何度も繰り返す形にしたいと思っている。

だから、初回襲撃で負けても、すぐ終わりにはしない方がいい。

たとえば、こういう損害にする。

  • 財宝の一部を奪われる
  • 施設が壊される
  • 捕虜が逃げる
  • 住人が負傷する
  • 脅威度が上がる
  • クロイルから厳しめの助言が入る

このくらいなら、失敗として痛いけれど、次につなげられる。

完全敗北ではなく、損害を受けた状態から立て直す。

これなら、プレイヤーは「次は防衛を固めよう」と思える。

勝っても終わりではない

逆に、初回襲撃で勝った場合も、それで終わりではない。

勝てば財宝を守れる。

盗賊を捕虜にできる。

情報を得られる。

周辺の噂が変わる。

魔王領の存在が少し知られる。

ここから次の展開につながる。

盗賊がどこで魔王領の噂を聞いたのか。

誰が財宝の情報を流したのか。

廃村に残っていた痕跡とつながるのか。

教会や王国がこちらに気づくきっかけになるのか。

初回襲撃は、単なる防衛イベントではなく、外の世界と魔王領がつながる最初の接触にできるといい。

防衛後の会話も大事

初回襲撃の後には、クロイルやフォム、捕虜、住人などの反応も入れたい。

ただ戦闘結果だけを出すのではなく、キャラの反応で魔王領の空気を見せたい。

クロイルは、被害状況と改善点を冷静に報告する。

フォムは、危険なものに反応したり、倒れた者に寄ったりする。

捕虜がいる場合は、怯える者もいれば、隙を見て逃げようとする者もいる。

保護対象がいる場合は、防衛方針によって安心したり、不安を感じたりする。

こういう細かい反応があると、魔王領が単なる施設一覧ではなく、ちゃんと人や魔物がいる場所に感じられる。

特に、プレイヤーの方針がキャラの反応に出ると面白い。

  • 罠で徹底的に潰した場合
  • できるだけ負傷者を出さずに追い払った場合
  • 捕虜を増やした場合
  • 財宝だけ守って、住人の安全が後回しになった場合

同じ勝利でも、魔王領の空気が変わる。

ここを大事にしていきたい。

初回襲撃から30日後分岐へ

初回襲撃を終えると、その後の大きな節目として30日後分岐につなげられる。

ただし、30日後分岐は固定ルートを選ぶ場面ではない。

今の魔王領が、どの方向へ進みやすいかをクロイルが分析する場面にしたい。

  • 財宝を守ることを優先してきたのか
  • 魔物を増やしてきたのか
  • 捕虜を多く抱えているのか
  • 廃村や教会の痕跡を追っているのか
  • 旧鉱山で防衛を固めているのか
  • 人を保護する方向へ寄っているのか

そういう序盤の行動を見て、クロイルが方針を提示する。

だから、初回襲撃は30日後分岐への前段階にもなる。

遠征で何を拾ったか。
防衛で何を守れたか。
何を失ったか。
誰を捕まえたか。
誰を助けたか。

この結果が、次の方針に反映される。

そう考えると、初回襲撃はかなり重要なイベントにできそう。

ここまでで見えてきたこと

その4で初回襲撃を考えたことで、遠征と拠点育成の意味がかなりはっきりしてきた。

黒霧の森で素材を拾う。

旧鉱山で罠素材を集める。

廃村で人や情報に触れる。

それを持ち帰って小洞穴を育てる。

そして、盗賊の襲撃で準備が試される。

この流れができると、序盤のゲームとして分かりやすくなる。

単に設定があるだけではなく、プレイヤーの選択がちゃんと結果に出せる。

森に行ったからこの罠がある。

鉱山に行ったからこの壁がある。

廃村に行ったからこの情報がある。

財宝を集めたから狙われる。

守りを固めたから被害を抑えられる。

こういう因果が見えると、ゲームとして遊びやすくなると思う。

次にやること

次は、30日後分岐についてもう少し詰めたい。

初回襲撃を終えたあと、魔王領の状態をどう判定するのか。

クロイルがどんな項目を見るのか。

財宝量、脅威度、防衛力、捕虜数、特殊捕虜、フォムの反応、教会調査度、王国警戒度、他魔王の動きなどをどう扱うのか。

そして、その結果としてどんな方針が見えてくるのか。

ここを整理できれば、序盤から中盤への入口が見えてきそう。

その1で全体像を出し、その2で導入を作り、その3で初期遠征を整理し、その4で初回襲撃を考えた。

次は、そこで積み上がったものがどう分岐につながるかを見ていきたい。

まとめ

今回は、AIと一緒に企画している魔王領運営ゲームの制作記録その4として、初回襲撃と防衛について整理した。

初回襲撃は、単なるチュートリアル戦闘ではなく、遠征で集めた素材や人材、施設づくりがちゃんと試される最初の確認試験にしたい。

最初の敵は、勇者や教会兵ではなく、財宝を狙う盗賊団くらいがちょうどいい。

防衛では、罠や魔物や施設配置がどう働いたのかを見せたい。

勝っても負けても、次の判断につながるようにしたい。

遠征で拾ったものが拠点に残り、拠点が育つことで防衛が変わり、防衛の結果が次の方針に影響する。

この往復が作れれば、魔王領運営ゲームとして形になっていきそう。

次回は、30日後分岐とクロイルの方針提示について整理していく予定。

AIと魔王領運営ゲームの企画を作り始めた|巣作り×ローグライト制作記その1

魔王領運営ゲームの導入を考える|小洞穴から始まる巣作りゲーム制作記その2

魔王領運営ゲームの初期遠征先を考える|黒霧の森・廃村・旧鉱山 制作記その3