魔王領運営ゲームの捕虜・保護対象・再契約を考える|魔王領の内側を作る制作記その8
前回は、魔王領運営ゲームのUI制作について整理した。
ゲームの画面をどう見せるか。
日数、財宝、脅威度、防衛力、人口、捕虜数などをどこに置くか。
遠征カードやイベントログ、クロイルの報告欄をどう見せるか。
そういう、実際に遊ぶ時の画面まわりについて考えていた。
(設定だけ考えまくって実装周りなんもやってないわけじゃないよっていうのを出したかっただけ)
今回はいったんUIから離れて、ストーリー設定側に戻る。
今回考えたいのは、捕虜、保護対象、雇用者、再契約した元敵の扱い。
魔王領運営ゲームなので、捕虜はかなり重要な要素になる。
ただ、ここを雑に作ると、単に人を捕まえて働かせるだけの暗いゲームになってしまう。
それだと、今回作りたい魔王領とは少し違う。
主人公は魔王なので、綺麗ごとだけで領地を運営するわけではない。
でも、ただ支配して消費するだけの魔王にもしたくない。
ここをどう分けるかが、大事になってきている。
捕虜をただの資源にしない
まず最初に決めたかったのは、捕虜をただの資源にしないこと。
ゲームとして考えると、捕虜はかなり便利な要素になる。
労働力になる。
情報源になる。
交渉材料になる。
人質にもなる。
場合によっては、魔王領の施設運営にも関わらせられる。
ただ、それだけだと、捕虜という言葉がただの数字になってしまう。
捕虜数が増えた。
労働力が増えた。
施設効率が上がった。
それだけで終わると、魔王領の内側に人がいる感じが出ない。
だから、捕虜は単なる資源ではなく、扱い方によって魔王領の性格が変わる存在にしたい。
どう扱うかで、クロイルの提案も変わる。
フォムの反応も変わる。
他の住人や保護対象の空気も変わる。
捕虜本人の態度も変わる。
このあたりを作れると、魔王領がただの施設一覧ではなく、ちゃんと人や魔物が残っていく場所になりそう。
捕虜と保護対象は分ける
次に整理したのが、捕虜と保護対象の違い。
これを同じ扱いにすると、かなり分かりにくくなる。
捕虜は、基本的には敵対者や危険性がある者。
盗賊、斥候、教会関係者、襲撃者、他勢力の手先など。
こちらに害を与える可能性があるから拘束する。
一方で、保護対象は、敵対者ではなく、逃げてきた者や負傷者、行き場のない者。
廃村で動けなくなっていた人。
盗賊に利用されていた人。
教会に見捨てられた人。
魔物に襲われて逃げてきた人。
こういう存在は、捕虜と同じ牢に入れるべきではない。
もちろん、魔王領から見ればどちらも「外から来た人間」ではある。
でも、扱いを分けないと、主人公の方針が見えなくなる。
だから施設としても、捕虜牢と保護小屋は分ける。
さらに進めば、療養室、共同食堂、住居区、監視付き滞在区などに分かれていく。
この区別があるだけで、魔王領の内側にかなり厚みが出る。
捕虜にも段階を作る
捕虜も、全員を同じ扱いにはしない方がいい。
敵として捕まえたばかりの者。
まだ抵抗している者。
情報を出した者。
反省している者。
魔王領の事情を見て態度が変わった者。
再契約の候補になる者。
このように段階を作れる。
たとえば、最初の盗賊襲撃で捕まえた盗賊。
最初はただの敵。
でも、尋問すると「財宝の噂を聞いて来ただけ」かもしれない。
あるいは、誰かに情報を流されたのかもしれない。
盗賊団の下っ端で、帰る場所がないだけかもしれない。
もちろん、ただ危険なだけの者もいる。
だから、捕虜は一括で善人にも悪人にもできない。
危険度、敵意、情報価値、労働適性、再契約可能性。
こういう項目を内部的に持たせると、かなり運営ゲームらしくなる。
ただし、プレイヤーに数字を全部見せる必要はない。
クロイルの報告やイベントログで、「この者はまだ強い敵意を残しています」「この者は労働配置より情報確認を優先すべきです」くらいに出せば十分だと思う。
再契約という考え方
今回 重要になりそうなのが、再契約という考え方。
敵として捕まえた相手を、ただ許すのでも、ただ奴隷にするのでもない。
魔王領側の条件を示し、その条件を受け入れるなら、改めて役割を与える。
これを再契約として扱いたい。
たとえば、盗賊なら、情報提供と労働を条件に魔王領内で働く。
元教会関係者なら、聖印や教会の知識を提供する代わりに、一定の保護を受ける。
敵対勢力の斥候なら、外部情報を持ってくる代わりに、処遇を軽くする。
こういう形。
ポイントは、再契約は「完全に仲間になりました」という意味ではないこと。
信用はまだ低い。
監視も必要。
裏切りの可能性もある。
でも、ただ牢に入れておくより、魔王領の中で役割を持たせた方が変化が生まれる。
これが面白くできそう。
再契約は主人公らしさにも関わる
再契約は、主人公の「自分らしく生きろ」という軸にも関わってくる。
主人公は魔王なので、敵を倒すこともある。
捕虜を取ることもある。
脅すこともある。
ただし、敵を全部殺すだけの魔王ではない。
かといって、全員を無条件で許す甘い存在でもない。
そこで、再契約という中間の仕組みが使える。
敵だった相手を、そのまま信用するわけではない。
でも、役割を与える。
条件を守るなら居場所を与える。
裏切れば処罰する。
このくらいの距離感が、魔王領らしいと思った。
善人の王国でもなく、ただの悪の巣でもない。
魔王領式の秩序がある。
この感じを出せると、このゲームのらしくがでる。
クロイルは現実的に判断する
捕虜や再契約を扱う時、クロイルの役割も大きい。
クロイルは、感情で相手を許したり憎んだりするタイプではない。
しっかり現実的に判断する。
この捕虜は危険か。
この保護対象は本当に保護対象か。
偽装して入り込んでいないか。
労働力として使えるか。
情報源として価値があるか。
再契約しても裏切る可能性はどのくらいか。
こういうことを、冷静に報告する。
ただし、クロイルが全部決めるわけではない。
最終判断は主人公、つまりプレイヤーに残したい。
クロイルは提案する。
リスクも説明する。
でも、どう扱うかはプレイヤーが選ぶ。
これができると、クロイルがただの便利な自動管理役ではなく、魔王領の判断を支える側近として見えてくる。
フォムは悪意に反応するが万能ではない
捕虜や保護対象を扱う時には、フォムの存在も効いてくる。
フォムは、裏切りや悪意に敏感なスライム。
ただし、万能ではない。
ここは前にも整理した通り。
本気で主人公のためになると思い込んでいる害ある行動。
狂信者の善意。
本人に悪意がない失敗。
善意の破壊。
こういうものには反応しにくい。
だから、捕虜や保護対象の判定をフォムだけに頼ることはできない。
フォムが嫌がったから危険。
フォムが反応しないから安全。
そう単純にはできない。
ただ、フォムが反応した時には、何かしらの違和感がある。
このくらいの扱いがちょうどいい。
クロイルの分析、フォムの反応、本人の言動、過去の行動。
それらを組み合わせて判断する。
この方が、捕虜や保護対象まわりのイベントに厚みが出る。
捕虜管理が魔王領の空気を変える
捕虜をどう扱うかは、魔王領全体の空気にも影響する。
捕虜を雑に扱う魔王領。
捕虜にも役割を与える魔王領。
危険な者は厳しく扱うが、保護対象とは分ける魔王領。
再契約した者を少しずつ受け入れていく魔王領。
どの方針にするかで、住人や魔物、保護対象、捕虜の反応が変わる。
たとえば、保護対象がいる状態で捕虜を乱暴に扱うと、不安が広がるかもしれない。
逆に、捕虜に甘すぎると、住人や魔物から不満が出るかもしれない。
再契約した元盗賊が働き始めることで、施設の効率は上がるが、最初は周囲が警戒するかもしれない。
こういう反応があると、魔王領の内側が生きている感じになる。
数字としての人口や捕虜数だけではなく、そこに空気がある。
この空気を出せるとゲームとして面白くなりそう。
施設も役割ごとに分ける
捕虜、保護対象、再契約者を分けるなら、施設も分ける必要がある。
最初は簡易牢しかない。
でも、進めていくと分かれていく。
- 捕虜牢
- 尋問室
- 監視付き作業場
- 保護小屋
- 療養室
- 共同食堂
- 再契約者用の居住区
- 面会室や交渉部屋
こういう施設があると、魔王領の運営方針が画面にも出る。
捕虜牢ばかり増えている魔王領。
保護小屋や療養室が充実している魔王領。
作業場や再契約者居住区が整っている魔王領。
見た目だけでも、その魔王領がどういう場所なのか分かる。
これはUIや拠点画面にも反映できる。
施設はただの機能ではなく、魔王領の思想を見せるものになる。
捕虜を増やしすぎるリスク
捕虜が便利な要素なら、つい増やしたくなりがち。
でも、それだけだと単純すぎてしまう。
捕虜を増やすと、当然リスクも出る。
- 脱走の危険
- 内部反乱の危険
- 食料消費の増加
- 監視人員の不足
- 保護対象の不安
- 外部勢力からの奪還作戦
- 教会や王国からの注目
捕虜は資源であり、リスクでもある。
この扱いにしたい。
捕虜を多く使えば、労働力や情報は増える。
でも、管理を怠ると内側から崩れる。
この緊張感があると、捕虜運用ルートも面白くなる。
魔王らしい強引な運営もできる。
でも、そのぶん不安定になる。
逆に保護や再契約を丁寧に進めると時間はかかるが、長期的には安定するかもしれない。
この違いが出せるとよさそう。
再契約した元敵は、後から効いてくる
再契約した元敵は、後からかなり効いてくる。
最初は信用できない。
周囲からも警戒される。
でも、時間が経つと少しずつ役割が生まれる。
元盗賊なら、盗賊の動きに詳しい。
元教会関係者なら、教会の言葉や聖印に詳しい。
元斥候なら、外部勢力の動きを読める。
元職人なら、施設や罠の改良に関わるかもしれない。
敵だった時の知識が、魔王領で役に立つ。
これは好きな流れ。
ただし、再契約したからといって、すぐ完全な仲間になるわけではない。
信頼度の段階がある。
裏切りの可能性もある。
イベント次第で本当に根づく場合もあれば、再び敵に戻る場合もある。
この揺れを残したい。
魔王領は敵を消す場所ではなく、置き直す場所にもなる
今回整理していて、一番大事だと思ったのはここ。
魔王領は、防衛して敵をただ消す場所ではない。
敵だった相手を、別の役割に置き直す場所にもできる。
もちろん、全員を救うわけではない。
危険な相手は危険。
裏切る者もいる。
処罰が必要な場合もある。
でも、敵として来た相手が、状況次第で捕虜になり、情報源になり、再契約者になり、最終的には魔王領の一部になることがある。
この流れがあると、魔王領の運営が面白くなる。
勝ったら終わりではなく、その後どう扱うかが続く。
ここが、ただの戦闘ゲームではなく、運営ゲームとしての面白さになる。
ここまでで見えてきたこと
捕虜、保護対象、再契約を整理したことで、魔王領の内側が見えてきた。
遠征で人を見つける。
襲撃者を捕まえる。
廃村から保護対象を連れ帰る。
捕虜をどう扱うか決める。
保護対象をどこに置くか考える。
再契約できそうな者に役割を与える。
その結果、魔王領の空気が変わっていく。
これが大事。
魔王領は、施設と罠だけでできているわけではない。
そこに残った人や魔物の関係でできている。
この部分を作れれば、ゲームとしても物語としても面白くなると思う。
次にやること
次は、キャラクター側の設定をもう少し整理したい。
捕虜や保護対象の話をすると、自然に「誰が魔王領に残るのか」が重要になってくる。
ミアン、ミアハ、オシーンのような廃村で出会う人物。
教会側から来る人物。
元敵として再契約する人物。
魔王領で職能を持つ人物。
このあたりを整理すると、魔王領の中で誰が何を担うのかが見えてくる。
次回は、ネームドキャラや職能キャラについて記事にできればと思う。
まとめ
今回は、AIと一緒に企画している魔王領運営ゲームの制作記録その8として、捕虜、保護対象、再契約について整理した。
捕虜は、ただの資源にはしない。
保護対象とは分ける。
敵として捕まえた者にも段階を作る。
条件を受け入れるなら、再契約して魔王領の中に役割を与えることもできる。
ただし、完全な仲間になるわけではなく、信用やリスクは残る。
この仕組みがあると、魔王領はただ敵を倒す場所ではなく、敵だったものを別の役割に置き直す場所にもなる。
魔王領の怖さと、主人公なりのやり方を両立させるには、捕虜と再契約の扱いが重要になりそう。
次回は、魔王領に残るネームドキャラや職能キャラについて整理していく予定。
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