魔王領運営ゲームのUIを作り始めた|画面設計と初期プロトタイプ制作記その7

魔王領運営ゲームのUIを作り始めた|画面設計と初期プロトタイプ制作記その7

前回までは、魔王領運営ゲームの設定やゲームシステムについて整理してきた。

小洞穴から始まる導入。
黒霧の森、廃村、旧鉱山という初期遠征先。
初回襲撃と防衛。
30日後分岐とクロイルの方針提示。
白冠教会と偽聖印。

このあたりまで考えてきて、だいぶゲームの中身は見えてきた。

ただ、設定だけを作っていてもゲームにはならない。

どれだけ世界観やルートを考えても、実際にプレイヤーが見るのは画面。

なので今回は、魔王領運営ゲームのUI制作初期について書いていく。

最新バージョンまで全部を書くとキリがないので、今回はあくまで「最初にどんな考えで画面を作り始めたか」と「とりあえず形になってきた初期画面」あたりまでにする。

完成形の紹介ではなく、制作途中の記録として読んでもらえればと思う。

【初期UI全体のスクリーンショット】

設定資料だけではゲームにならない

ここまでAIと一緒にかなり長く設定を詰めてきた。
主人公、フォム、クロイル、白冠教会、偽聖印、遠征先、初回襲撃、30日後分岐。

設定としてはかなり増えてきた。

ただ、途中で気づいたのは、設定が増えるほど、逆にゲームとしての手触りが見えにくくなることだった。

物語や世界観は面白そう。
でも、プレイヤーは最初の画面で何を見るのか。
何を押すのか。
今どの状態なのか。
次に何をしたらいいのか。

これが見えないと、ゲームとしては始まらない。

だから、ある程度設定を詰めた段階で、UIに落としていく必要があった。

特に今回のゲームは、単なるノベルゲームではない。
遠征、資源、施設、防衛、捕虜、人口、脅威度、ルート分岐など、いろいろな要素が並ぶ。
これを全部文章だけで見せると、たぶんかなり重くなる。

だからUIでは、何を常に見せるか、何を必要な時だけ見せるかを分ける必要があると思った。

最初に考えたUIの目的

最初に考えたのは、「この画面でプレイヤーに何を分からせたいのか」ということ。

今回の魔王領運営ゲームで、プレイヤーが常に把握したいものは大きく分けて4つある。

  • 今の魔王領の状態
  • 使える資源や人材
  • 次にできる行動
  • 直近で何が起きたか

この4つが見えれば、とりあえずゲームとして動かせる。
逆に言うと、最初から全部の設定を画面に出す必要はない。

白冠教会の歴史も、偽聖印の細かい意味も、母親やフォムの真相も、最初の画面にはいらない。

まず必要なのは、今が何日目で、財宝がどれくらいあって、脅威度がどれくらいで、次に遠征するのか、施設を作るのか、防衛を整えるのか。

そういうプレイヤーの判断に直結する情報。
だから、UIの初期方針はかなりシンプルにした。

設定を全部見せる画面ではなく、次の判断ができる画面にする。

これが最初の軸になった。

常に見せたい情報

まず、画面上で常に見せたい情報を整理した。

候補としては、日数、財宝、人口、捕虜、脅威度、防衛力、食料、素材、魔石など。

ただ、最初から全部を並べると数字だらけになる。
数字が多いゲームは、それだけで難しそうに見える。

だから、序盤の画面では特に重要なものに絞りたいと思った。

  • 日数
  • 財宝
  • 脅威度
  • 防衛力
  • 人口
  • 捕虜
  • 主要素材

このあたりが最初に見えていれば、魔王領の状態はある程度分かる。

財宝が増えればできることが増える。
でも脅威度も上がる。
防衛力が低ければ襲撃が怖い。
人口や捕虜が増えれば、施設や管理が必要になる。

こういう関係が画面上で見えるようにしたい。

ただの数値ではなく、「増えたら嬉しいけど、増えすぎると問題も増える」という構造がある。

UIでは、その緊張感が少し伝わるようにしたいと思った。

【日数・財宝・脅威度・防衛力などのステータス表示部分】

行動はカードやボタンで選びたい

次に考えたのは、プレイヤーが何を押すのか。
このゲームの基本行動は、だいたい以下のようになる。

  • 遠征する
  • 施設を作る
  • 防衛を整える
  • 捕虜や住人を管理する
  • イベントや報告を見る
  • 次の日へ進める

最初は、これらをシンプルなボタンとして並べればいいかと思った。
ただ、実際にゲームっぽく見せるなら、ただのボタンよりもカード型の方が分かりやすそうだった。

たとえば遠征なら、黒霧の森、廃村、旧鉱山をカードとして並べる。
カードには、取れそうな素材、危険度、関係する要素を短く表示する。
黒霧の森なら、木材、毒草、魔物卵。
廃村なら、食料、人間側情報、聖印の痕跡。
旧鉱山なら、鉱石、罠素材、魔力炉の痕跡。

こうしておけば、プレイヤーは「今何が欲しいか」で遠征先を選びやすい。

文章だけで説明するより、カードとして並んでいる方が直感的。

UI制作の初期では、この「行動をカード化する」方向がかなりしっくりきた。

【初期遠征カードの画面】

ログはかなり重要

UIを考えていて、意外と重要だと思ったのがログ表示。
このゲームは、数値だけで進むゲームにはしたくない。

遠征したら、何が起きたのか。
誰が反応したのか。
フォムが何かに怯えたのか。
クロイルが何を報告したのか。
捕虜や住人がどう反応したのか。

こういう部分をログで見せたい。
たとえば、黒霧の森へ行って「木材を3入手」だけだと味気ない。

でも、そこに「フォムが森の奥をじっと見ている」とか、「クロイルが黒霧濃度の上昇を記録した」といった一文が入ると、急にゲームの空気が出る。

ログは、ゲームの結果を伝えるだけではなく、世界観を少しずつ染み込ませる場所になる。
だから、初期UIでもログ欄はちゃんと置きたいと思った。

画面の右側か下側に、最近起きたことが流れる場所を作る。
そこに、遠征結果、防衛結果、キャラの反応、クロイルの報告を出す。

このログがあるだけで、ゲームの中が動いて見える。

【イベントログ・クロイル報告欄】

クロイルはUI上でも案内役になる

設定上、クロイルは側近であり、魔王領の管理者でもある。
だからUI上でも、クロイルはかなり使いやすい。

ただのチュートリアルキャラではなく、ゲーム画面の中で「今何を見るべきか」を教えてくれる存在にできる。

たとえば、素材が足りない時。
クロイルが「罠工房の建設には鉱石が不足しています。旧鉱山への遠征が有効です」と言う。

防衛力が低い時。
クロイルが「現在の防衛力では、次の襲撃時に宝物庫の被害が出る可能性があります」と言う。

捕虜が増えた時。
クロイルが「簡易牢の収容数が上限に近づいています」と言う。

こういう形にすると、UIの説明がキャラクターの役割と一致する。
これがゲームの進行でわかりやすさを補ってくれるんじゃないかと思っている。

ゲームの都合で説明するのではなく、クロイルというキャラが魔王領を管理しているから説明する。

そうすれば、チュートリアル感が少し薄くなる。
UI制作でも、クロイルの報告欄や助言欄は重要になりそうだと思った。

最初から完成UIを目指さない

UIを作る時に気をつけたのは、最初から完成形を目指さないこと。

ゲームを作るとなると、どうしても最初からかっこいい画面にしたくなる。

背景を作りたい。
アイコンを整えたい。
カードのデザインを凝りたい。
フォントや色もちゃんとしたくなる。

でも、最初から見た目を作り込みすぎると、肝心のゲームの流れが見えにくくなる。
だから初期UIでは、まず「押せる」「状態が変わる」「ログが出る」ことを優先したい。

かっこよさは後でいい。

まずは、黒霧の森へ行く。
木材が増える。
ログが出る。
施設が作れるようになる。
防衛力が上がる。
次の日に進める。

この基本の流れが動くかどうか。

そこを先に見たい。

だから、今はまだ最新の画面ではなく、あえて制作初期の画面や、途中の仮UIを載せるくらいでちょうどいいと思っている。

完成したものを見せるというより、「こうやってゲーム画面に落とし始めた」という記録にしたい。

画面に出す情報と、出さない情報

UIを考えると、設定をどこまで画面に出すかも問題になる。

このゲームには、かなり多くの裏設定がある。

白冠教会。
偽聖印。
フォムと母親の関係。
先々代の旧領。
他魔王勢力。
最終ルートにつながる要素。

でも、これらを最初から画面に全部出すと、情報量が多すぎる。
プレイヤーが最初に知りたいのは、世界の真相じゃない。

今、何ができるのか。
何が足りないのか。
何が危ないのか。
次にどこへ行くべきなのか。

そこが先。

だから、裏設定はログやイベントで少しずつ出す。
UIの常設部分には、行動に必要な情報を置く。

この分け方が必要だと思った。

たとえば、偽聖印の詳しい説明は常設UIにはいらない。
でも、廃村の遠征結果ログで「フォムが聖印らしきものに怯えている」と出す。
クロイルの調査報告で「通常の聖印とは反応が一致しません」と出す。

そうやって、ゲームの流れの中で自然に出す方がよさそう。

スマホで見るか、PCで見るか

UIを考えるうえで、スマホとPCの問題もある。

自分が作ってきた診断ページは、スマホで触る人が多い。
だから、本当はこのゲームもスマホで遊びやすくしたい。

ただ、魔王領運営ゲームは情報量が多い。

日数、資源、遠征先、施設、ログ、防衛、捕虜、住人。

これを全部スマホ画面に詰め込むと、かなり窮屈になる。

なので、初期UIではまずPC画面で全体の構造を見やすく作り、その後でスマホ表示を調整する形が現実的だと思った。

PCでは、左にメイン操作、右にログや報告。
スマホでは、タブや折りたたみを使って、遠征、施設、ログを切り替える。

そんな感じがよさそう。
最初からスマホだけに合わせすぎると、ゲーム全体の構造が見えにくくなる。
でも、最終的にはスマホでも触れるようにはしたい。

このあたりは、今後PCだけにするか、スマホでも遊べるようにするかも含め調整が必要になりそう。

初期UIで見えてきたこと

実際にUIを作り始めると、設定だけを考えていた時とは違う問題が見えてきた。

たとえば、財宝と脅威度の関係。
設定上は「財宝が増えると狙われやすくなる」と考えていた。

でも画面に出すなら、財宝が増えた時に脅威度も見える必要がある。

そうしないと、プレイヤーはなぜ襲撃されたのか分かりにくい。

また、捕虜や保護対象も同じ。
設定上は違う存在だけど、画面上では分けて表示しないと混ざる。

捕虜が増えているのか。
保護対象が増えているのか。
住人が増えているのか。

ここを分けないと、魔王領の方向性が見えにくい。

UIを作ることで、逆にゲームシステム側の整理も進んだ。

設定を画面に出そうとすると、「これは本当に必要な情報なのか」「これはどのタイミングで見せるべきなのか」が自然に問われる。

だからUI制作は、単に見た目を作る作業ではなく、ゲームそのものを整理する作業でもあると思った。

画面を記事に載せる意味

今回の記事では、できれば初期UIの画面もいくつか載せたい。

完成画面ではないので、見た目としてはまだ仮の部分も多い。
でも、制作記録としてはその方がいい気もしている。

最初から完成形だけを載せると、途中で何を考えたのかが見えない。

逆に、初期の仮画面を載せておくと、後から見返した時に「ここから変わっていったんだ」と分かる。

診断ページを作った時もそうだったけど、AIと一緒に作る場合、最初から完成形が出るわけではない。

出して、触って、違和感を見つけて、直す。
その繰り返しになる。

だから、画面の途中経過を残しておくことにも意味があると思った。

今回の記事では、最新の完成度を見せるというより、UIを作り始めた時の考え方と、最初に見えてきた画面を残す回にした。

【初期UIの別画面、施設または防衛タブ】

ここまでで見えてきたこと

その7でUI制作初期を整理してみて、かなり大事だと思えたのは、UIはゲームの表面ではなく、ゲームの構造そのものだということ。

遠征、施設、防衛、捕虜、ログ、クロイルの報告。
これらをどう並べるかで、プレイヤーの遊び方が変わる。

遠征カードが見やすければ、素材を取りに行きたくなる。
脅威度が見えていれば、防衛を意識する。
ログが面白ければ、ただの数値変化にも物語が出る。
クロイルの報告が自然なら、チュートリアル感を減らせる。

つまり、UIはただの飾りではない。

このゲームが「何を判断するゲームなのか」を見せる場所になる。
そこが見えてきたのは大きい。

次にやること

次は、UIをもう少し触れる形にしていきたい。

遠征を押したら、素材が増える。
素材が増えたら、施設が作れる。
施設を作ると、防衛力や収容数が変わる。
ログに結果が出る。
日数が進む。

この基本ループを、まずは簡単でもいいから動かしたい。

見た目の完成度よりも、最初はこのループが大事。
そこが動き始めれば、初回襲撃や30日後分岐も画面に落とし込めるようになるはず。

そのあたりを次のUI制作記録で整理できればと思っている。

まとめ

今回は、AIと一緒に企画している魔王領運営ゲームの制作記録その7として、UI制作初期について整理した。

設定資料はかなり増えてきた。
でも、ゲームとして遊ぶには、画面に落とし込む必要がある。

最初に考えたのは、今の魔王領の状態、使える資源、次にできる行動、直近で起きたことを分かるようにすること。

遠征はカードで選ぶ。
日数や財宝、脅威度、防衛力は常に見せる。
ログで世界観やキャラの反応を出す。
クロイルをUI上の案内役として使う。

最初から完成UIを目指すのではなく、まずは押せる、変わる、ログが出るところまで作る。

UIを作ることは、見た目を整えることではなく、ゲームの判断構造を画面に出すこと。

そこが今回はっきりと見えてきた。

もちろんまだまだ、プレイできるようなものではないのはわかっている。

次回は、実際に触れる基本ループや、遠征から施設建設への流れをもう少し整理していく予定。

AIと魔王領運営ゲームの企画を作り始めた|巣作り×ローグライト制作記その1

魔王領運営ゲームの導入を考える|小洞穴から始まる巣作りゲーム制作記その2

魔王領運営ゲームの初期遠征先を考える|黒霧の森・廃村・旧鉱山 制作記その3

魔王領運営ゲームの初回襲撃を考える|遠征と防衛がつながる制作記その4

魔王領運営ゲームの30日後分岐を考える|クロイルの方針提示 制作記その5

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