僕のパソコンは、Windowsやアプリやファイルを入れておく場所(Cドライブ)が、237GBしかない。AIに作業を頼むほどファイルが増えて、空きが減っていく。それで、週に1回、AI(Claude)にCドライブを点検してもらい、空きが減っていたら片付けてもらっている。
10月13日の昼、Claudeのアプリと画面が2回固まった。僕はそのたびに、アプリを立ち上げ直した。
その少し前に、記事に使う写真を出すため、Claudeのアプリの中でAmazon Photos(写真を預けておくAmazonのサービス)を開いて、ログインしていた。最初はそれが原因だと思った。調べてもらうと、それは最後のひと押しで、もとは、前の日の点検でAIに勧められて、ページファイルを8GBに固定したことだった。
メモリと空きは、別のもの
先に、言葉を2つだけ説明しておく。
メモリは、アプリを動かすときに使う作業台のようなものだ。ファイルをしまっておくCドライブの空きとは、別のものだ。
ページファイルは、作業台が足りないときに、Cドライブの一部を作業台の代わりに使う仕組みだ。Windowsの画面では「仮想メモリ」と呼ばれている。この記事の「予備のメモリ」も、同じものを指す。
もう1つ。僕は同じClaudeを、仕事ごとに別々の会話(セッション)で動かしている。この記事では、それぞれを「別のAI」と書く。
10月の初め:空き1.7GBから32.4GBへ
話は1週間前にさかのぼる。
10月の初め、Cドライブの空きが1.7GBまで落ちた。スマホで撮った写真なら、数百枚で埋まってしまう量だ。場所をいちばん取っていたのは、ページファイルという約30GBのファイルだった。
Windowsは、作業台が足りなくなるたびに、ページファイルを大きくしていく。AIは、これを8GBに固定するよう勧めた。設定には管理者の権限が要るので、僕が自分で変えた。
10月5日の最初の記録では、空きは12.6GBだった。ページファイルは約30GBから11GBほどに縮み、それだけで約18GB空いた。その朝の点検では、空きは32.4GBに戻っていた。
AIは、いちばん効く手はもう済んだと報告した。点検の手順書にも、次からは「いちばん効く手」としてはもう勧めない、と書いた。
点検には、見張りも1つ足した。点検は、決まった9か所しか測らない。Cの使用量の増え方が、その9か所の増え方より3GB以上大きければ知らせる、というものだ。
10月13日:同じ手を、もう一度
10月12日の点検で、空きは11.6GBに減っていた。固定したはずの設定が、「システムにおまかせ」に戻っていた。いつ、なぜ戻ったのかは、今も分かっていない。
AIはまた「いちばん効くのはページファイルの固定です」と書いた。僕はもう一度8GBに固定して、13日の10時26分にAIに伝えた。空きは22.0GBになった。
AIは、ほかに2つの場所も消せると言った。
- Claudeが作業に使う一時フォルダの、古いもの。AIは「いま動いているセッションの分は残します」と書いていた
- 声を文字に書き起こすAIの本体のファイル(「モデル」と呼ぶ)の置き場。AIは「使うときに自動で再ダウンロードされます」と書いていた
「両方消して」と返した。空きは30.3GBになり、点検の目安の「問題なし」に入った。
昼、パソコンが2回固まった
固まったあと、Amazon Photosから写真を取ってきてもらっていた別のAIに、原因を探してもらった。Windowsの記録には、こう残っていた。
| 時刻 | 起きたこと |
|---|---|
| 9時25分ごろから | 「仮想メモリが不足しています」という警告が何度も出ていた |
| 12時38分 | 警告の3秒後に、画面を描くWindowsの仕組みが止まった(1回目に固まったとき) |
Amazonにログインする前から、パソコンは作業台が足りなくなっていた。AIの見立てでは、Amazonは最後のひと押しだった。
原因を探したAIの報告には、予備のメモリが8GBに固定されている、とあった。それで僕は、片付けのときにページファイルを固定したせいだと気づいた。片付けをしたAIに、こう伝えた。
仮想メモリを8GBにしたことで動作に支障が出ている
返事はこうだった。
ページファイルを8GBに固定するよう勧めたのは私の判断ミスでした。すみません。
このパソコンのメモリは約11GBある。予備の8GBと合わせた約19GBが、使える上限だった。このとき18.7GBを使っていて、ほぼいっぱいだった。
AIは前回、「ページファイルの中身は5GBしか使っていない」ことを見て、8GBで足りると判断していた。でも、それでは足りなかった。
アプリは、あとで使うかもしれない分のメモリを、先に押さえておく。Windowsは、押さえられた分が全部入るだけの場所を、メモリとページファイルで用意しておかないといけない。まだ使っていなくても、押さえた分は数に入る。中身の量だけを見て決めたのが間違いだった、とAIは書いた。
直し方は、ふだんは8GBで、足りなくなったときだけ広がる設定だった。これも僕が自分で変えた。いまは最大で約27GBまで広がる。
消したモデルが、別のAIを止めていた
同じ日の14時45分に、雑学のYouTubeチャンネル「いわれてみれば」の動画を作っていた別のAIが、こう報告してきた。
照合に使う文字起こしのモデル(faster-whisper-small)が、パソコンから消えています。
録音した声と台本を照らし合わせる作業に、このモデルを使っていた。片付けで消した置き場に入っていたものだった。
「使うときに自動で再ダウンロードされます」は、このAIには当てはまらなかった。ネットからモデルを取りに行かない設定で動かしていたからだ。自分では取り直さないので、そこで止まった。
AIはダウンロードしてよいかを聞いてきた。止まっていると分かった14時45分から、モデルが戻った15時52分まで、約1時間かかった。そのほとんどは、僕の許可待ちだった。
僕は片付けをしたAIに、こう伝えた。
huggingfaceの削除も、さっそくYouTube 言われてみれば のセッションで困ってるんだけど
問題がないかどうか、もっとちゃんと確認して
huggingfaceは、消したモデルの置き場のフォルダの名前だ。
AIは調べ直して、2つを認めた。
- 「消しても無害」と判断したとき、ログインが要るかどうかしか見ていなかった。消したモデルは、雑学チャンネルのほかに、温泉ブログのショート動画や動画の自動編集の道具も使っていた
- 一時フォルダで消した29個の中に、まだ続いている別のAIの作業ファイルが入っていた。記事の下書きや確認用の画像などだ。ごみ箱を通さずに消したので、戻せない
完成した動画や記事は別の場所にあって無事だった。AIの見立てでは、実害はおそらく小さい。それでも、消した物の中身を、消したあとで知ることになった。
AIは、毎週の点検の手順書にある「消してよい」一覧から、モデルの置き場と一時フォルダを外した。自分用のメモにも、消す前にその場所を読んでいる道具やAIを先に探す、という決まりを足した。
「メモリが足りない」と聞いたAIは、写真を開かずに選んでいた
もう1つ、思わぬところに影響が出ていた。
固まった原因を探したAIは、次のAIたちも読む覚え書きに、このパソコンは「メモリが常に満杯近い」と残していた。僕のジャケットの記事の下書きを別のAIに頼むときにも、「メモリが満杯近くで2回フリーズした」と書き添えていた。
下書きを書いたAIは、こう報告してきた。
写真の中身は開いて見ていません。(中略)メモリの負担を避けるためです。
写真のファイル名と説明だけで、記事に載せる写真を選んでいた。
僕は「メモリについてはあまり心配しなくていい、他のセッションでPCの容量確保のために仮想メモリを制限していたせい」と伝えた。AIが写真を実際に開いて見ると、記事のいちばん上に置く写真に、別のブランドのハンガーのロゴが写っていた。襟を立てた写真にも、同じロゴが写っていた。
その時だけのことを「常に」と書いた覚え書きと、引き継ぎの一言が、別の作業で、写真の確認を省く理由になっていた。
その後:空きとメモリの取り合い
3日後の10月16日、空きはまた4.66GBに減った。動画の素材なども増えていたが、ページファイルも20.56GBまで広がっていた。
これは設定どおりの動きだ。足りないときに広がるようにしたので、そのぶんCドライブを使う。空きを取るか、作業台の余裕を取るか。10月13日は、空きを取りすぎていた。
その夜のうちに、AIに頼んで動画の素材などを外付けのドライブへ移し、空きを11.07GBまで戻した。
翌17日の片付けでは、AIは「残すもの」にページファイルとモデルの置き場を入れていた。13日の件が、次の片付けに生きていた。
その17日、空きは4.08GBまで減っていた。測っている場所は3.3GBしか増えていないのに、空きは前の日の夜中から7GB減っていた。10月5日に点検へ足した見張りと同じ比べ方で、測っていない場所で何かが増えていると分かった。
測っていない場所で見つかったのは、画面の録画3本(2.39GB)だった。録画は僕が前に外付けへ移していたので、AIが中身が同じかを確かめてから消した。
探す途中で、もっと大きなファイルも見つかった。パソコンの中に、もう1台小さなパソコンを作って動かすためのファイル(仮想マシンのディスク)で、8.59GBあった。Claudeのアプリのある機能が使うものだ。この日に増えた物ではなく、10月7日からずっと置かれていた。
僕は「今までは使ってないはず」と伝えた。AIは消さずに外付けのドライブへ移し、移す前と後で中身が同じかを確かめてから、元を消した。録画の分と合わせて、空きは14.95GBに戻った。移したあとも、アプリの動きに問題は出ていない。
片付けをAIに任せるときに
- ページファイルは、中身の量だけを見て小さくしない。アプリが先に押さえた分も、メモリとページファイルで用意しておく必要がある
- 「自動で取り直される」は、使う側が自分で取りに行く設定のときだけ正しい。消す前に、その場所を読んでいる道具を探す
- 「しばらく書き込みがない」は「使っていない」ではない。動いている別のAIの作業場は消さない
- 一度効いた手でも、次も安全とは限らない。空きは戻っても、別の場所に影響が出ることがある
- 消すより、移す。移す前と後で中身が同じかを確かめてから、元を消す
分かったこと
片付けの効果は、空きの数字ですぐに見えた。11.6GBが30.3GBになった。副作用は、別の場所に出た。画面が固まり、雑学チャンネルの作業が止まり、写真の確認が抜けた。
AIは、自分が確かめた一部分だけを見て「大丈夫」と言っていた。消した物を、ほかのだれが使っていたか。メモに書いた一言を、ほかのだれが読むか。そこまでは見ていなかった。
作業が止まったと知ったとき、僕はAIに便利さだけでなく、作業の安全も求めていたんだと、改めて気づいた。まだそこまで細かく言わなきゃだめなのか、という失望もあった。
同時に、自戒もあった。何を求めて、どんな条件で、何を達成したいのか。それをこちらが事細かに決めて渡さなければいけないんだ、とも思った。
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