朝の光が差す木の机の上に置かれた、7時を指す古い真鍮の置き時計と、閉じたままの小さな木の門

温泉ブログ(温泉ランド.com)のネタ集めは、毎朝AI(Claude)に任せている。朝7時にAIの作業が自動で始まり、温泉のニュースを集めて、記事にできそうな候補を僕に知らせてくれる。

ところが、この作業は始まってすぐ、僕の許可を待って止まっていた。10月16日の夜22時6分、その朝の作業の画面で、AIにこう聞いた。

このルーティンセッションてさ、一番初めにこちらで許可を出さないと動き出せないでしょ?

それなんとかできない?

「ルーティンセッション」と呼んでいるのは、決まった時刻に自動で始まるAIの作業のことだ。

毎朝の作業は、パソコンの命令から始まる

毎朝の作業には、AI向けの手順書がある。そこには、パソコンで動かす命令が3つ書いてある。

  • ニュースを集める道具を動かす(いちばん初め)
  • これまでに書いた記事の一覧を出す
  • 気になる言葉で、同じネタの記事が無いかを調べる

そのあとで、記事にする価値のある候補を選ぶ。時事のニュースは3件まで、季節の行事は2件まで、気候の見通しは1件までだ。何も無い日は「今日は書く価値のある候補なし」と一言だけ返す。あわせて、公開した記事の内容が古くなっていないかを、決めたページを開いて毎朝見回る。

AIは、パソコンで命令を動かす前に「実行していいですか」と聞いてくる。毎回聞かれないようにするには、「この命令は聞かずに動かしてよい」という一覧を設定ファイルに書いておく。これを許可リストと呼ぶ。

朝の作業は、いちばん初めの命令で聞いてきた。僕が許可を出すまで、先へ進まなかった。

AIの見立ては、許可リストの書き方の違い

1分ほどで、AIは原因の見当をつけた。手順書に書いてある命令と、許可リストの行は、書き方が違っていた。

どこに書いてあるか書き方
手順書(実際に動かす命令)py -3 “C:\work\温泉ランド.com\tools\trend_collect\trend_collect.py”
許可リストpy -3 tools/trend_collect/trend_collect.py

どちらも同じ道具を動かす命令だ。ただ、手順書はフォルダの場所を頭から全部書く長い形で、許可リストは途中から書く短い形だった。AIの説明では、文字が一致しないので、毎回「実行していいですか」と聞かれていた。

この記事を書くために設定ファイルを読み直すと、違いはもう1つあった。古い許可の行は、Bash(もとはLinuxやMacで使われる、命令を打つ道具)向けの書き方だった。AIはこのとき、朝の命令はPowerShell(Windowsの命令を打つ画面)から動くと見て、PowerShell向けの形を中心に、Bash向けの形もあわせて足している。

手順書の古い控えは、8月31日の分から残っている。その時点から今まで、手順書の命令はずっと長い形だった。短い形の許可が、手順書と一致していた時期があったのかは分からない。

AIが許可を足した

22時7分、AIは許可リストに次のものを足した。

  • 毎朝の3つの命令を、手順書と同じ長い形で入れた。PowerShell向けとBash向けの両方を入れた
  • 重複を調べる命令は、後ろに付く言葉が毎日変わっても通るようにした
  • その朝の見回りで開いたのに、リストに無かったページを12か所足した。ウェザーニュース、保津川下り、湯村温泉の組合、楽天のセールページなどだ

AIはこう付け加えていた。

効いたかどうかは、明日朝7時の実行でしか確かめられません。

続けて、確認そのものを飛ばす設定も頼んだ

20分ほどして、僕はもう1つ頼んだ。

自動でモードを権限をバイパスにして、パソコンの前にいなくても指示できるようにremote-controlも開始の時点でできてるようにもしたい

「権限のバイパス」は、命令ごとに「実行していいですか」と聞かずに進む動き方だ。「remote-control」は、スマホのClaudeアプリなどから、動いている作業の様子を見たり、指示を出したりできる仕組みだ。

AIは22時26分、同じ設定ファイルに、この2つを最初から有効にする行を足した。ただ、効くかどうかは分からないと、AI自身が2つの理由を挙げていた。

  • デスクトップアプリが、作業ごとに動き方を画面の側で決める作りかもしれない。そうなら、設定ファイルより画面の選択が優先される
  • AIの説明では、自動で始まる無人の作業では、リモート操作をあとからオンにする機能が断られる作りになっているそうだ。始めの時点の設定でも、オンにならないことがありうる

AIは、翌朝スマホのClaudeアプリにその朝の作業が出ているかを見てほしい、と頼んできた。もう1つ、設定を置いたフォルダ(あとで書く古いフォルダ)で僕が手で開いた作業も、確認なしで命令を動かすようになると注意していた。やめたいときは、設定ファイルから、確認を飛ばすと書いた1行を消せばよい。

権限を飛ばす設定は、勧めない

この記事は、権限を飛ばす設定を勧めるものではない。効かないまま残っていた確認を飛ばす行は、この記事を書いたあとに消した。確認なしで進むということは、ファイルを消す命令や上書きする命令も、聞かれずに動くということだ。

前に、AIの手伝い役が夜中にパソコンの中を5時間半探し続けたことがあった(そのときの記事)。そのあと、広すぎる検索を実行の前に止める仕組みを作り、共通の設定に入れてある。確認を飛ばす設定にしたとき、この仕組みがそれでも働くのかは、今回は確かめていない。

それに、許可リストの直しと確認を飛ばす設定を、同じ夜に入れてしまった。どちらかが効いていれば、どちらが効いたのか分けられないところだった。結果から言うと、どちらも効かなかった。

その後の朝、記録に残っていたこと

10月18日から20日の朝の記録を、AIに読んでもらった。最初にAIが何か言った時刻は、次のとおりだ。

朝AIの最初の発言中身
10月16日(直す前)7時8分ニュースは集め終わった
10月17日今回読んだ記録には無い―
10月18日7時35分見回りの最初の組が終わった
10月19日7時7分候補の収集は済んだ
10月20日7時9分九州の楽天クーポンに変化はない

時刻だけでは、止まったかどうかは分からない。3日とも、AIの最初の発言より前に、僕は何も書いていない。10月18日だけ30分ほど遅いが、その理由も記録からは分からない。読んだのは会話の文だけを抜き出した記録で、「実行していいですか」の画面や、僕が許可を押したかどうかは入っていない。直す前の10月16日も、最初の発言は7時8分だった。

記録の中には、直したあとでまた止まったという僕の言葉も、止まらなくなったと確かめた言葉も無かった。スマホで朝の作業が見えたかどうかを、僕がAIに伝えた記録も無い。

記録に無いのは、僕が言わなかったからだ。実際は、朝の作業は今までと変わらず止まっていた。直した夜の前と後で、何も変わっていない。

僕は、おそらく仕様で無理なのだろうと考えて、そのまま放っておいた。それをAIに伝えなかったので、記録にも残らなかった。

設定を置いた場所は、引っ越す前の古いフォルダだった

AIが設定を書いたのは、OneDriveの中にあった古い作業フォルダの .claude\settings.local.json だ。

僕は9月に、作業フォルダをOneDrive(パソコンのファイルをネットに預けて同期するサービス)の外へ引っ越している。この古いフォルダに今あるのは、引っ越し先を書いた案内のファイルと、この設定の入ったフォルダだけだ。

朝の作業の記録は、今も古いフォルダの名前をつけた場所に分けて保存されている。なので、AIが言ったとおり、作業が始まるフォルダに置いたことにはなる。ただ、そこに置いた設定が、毎朝の作業で本当に読まれているのかは、記録からは確かめられなかった。朝の作業が今も古いフォルダで始まる理由も、まだ調べていない。

同じことで困っている人へ

  1. 止まった画面で、聞かれている命令の文字をそのまま書き写す
  2. 許可リストの行と、1字ずつ比べる。フォルダを頭から書いているか、「\」と「/」のどちらか、命令を打つ道具の名前(BashかPowerShellか)まで見る
  3. 手順書の命令を書き換えたら、許可リストも同じ形に直す
  4. 直した翌朝、止まったかどうかを1行どこかに書いておく

確認を飛ばす設定は、この記事では勧めない。僕の場合は、入れても止まったままだった。効かない設定を、確認を外したまま残しておく理由はないので、消した。

分かったこと

AIの見立てでは、朝の作業が初めの命令で止まっていた理由は、許可リストの書き方のずれだった。人の目には同じ命令に見えても、照らし合わせは文字で行われる、というのがAIの説明だ。ただ、リストを直しても止まったままだったので、この見立てだけでは説明がつかない。AI自身も、アプリの画面の側で動き方が決まっている作りかもしれない、と書いていた。

もう1つは、確かめる手順まで決めていなかったことだ。AIは、翌朝の実行で確かめるしかないと言った。僕はそれを聞いて、その話を終えた。翌朝も止まったが、僕はそれを伝えなかった。仕様だろうと決めて、放っておいた。だから記録の上では、直ったのか直らなかったのかが、ずっと分からないままになっていた。

AIに頼んだ直しが効かなかったときは、効かなかったと一言返す。そうしないと、AIも、あとから記録を読む人も、直ったかどうかが分からない。この記事を書くまで、僕自身がそれをしていなかった。

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