温泉ランド.com(楽天トラベルのアフィリエイトブログ)は、今日時点で公開566本になった。
そのうち486本は、7月1日から今日までの5週間で出したものだ。
収録した温泉地は47都道府県・77か所。
数だけ見ると「AIに書かせたら速かった」という話に見える。
実際に時間を使ったのは、そこではなかった。
書かせ方ではなく、止め方のほうだ。
自分はプログラミングを勉強したことがない。
コードはぜんぶAI(Claude)に書いてもらって、自分は注文とダメ出しをする係。
前に宿紹介を写真つきカードに自動化した話と見た目を作り替えた話を書いたけれど、今回はその上に乗せた「量産の段取り」の話になる。
1つの温泉地を、6本ひとまとめで作る
まず、記事を1本ずつ作るのをやめた。
1つの温泉地につき、この6本を必ずセットで作る。
- エリアガイド
- おすすめ宿7選
- カップル7選
- 夕食7選
- 車なしで泊まる
- 1泊2日モデルコース
これを「クラスタ」と呼んでいる。
6本まとめて作るのは、速いからじゃあない。
同じ温泉地の6本は、放っておくと同じことを書くからだ。
同じ宿を同じ理由で推し、同じ景色から書き出す。
6本を一度に見られる形にしておかないと、その重複に気づけない。
実際、いちばん最初の実走では「白銀橋」という橋が3本の書き出しに出てきて、宿を推す理由が2軒で使い回された。
6本を並べて初めて分かることだった。
自分がやる操作は、2回だけ
いま自分が打つ指示は「次のクラスタ作って」と「公開して」の2回で、途中は全部AIがやる。
温泉地を選ぶのもAIだ。
収録済みの一覧と公開中の記事を突き合わせて、まだ書いていない県から候補を3つ挙げ、楽天トラベルで実際に予約できる宿が7軒以上あるかを確かめて1つに決める。
7軒に届かない温泉地は「7選」が作れないので落とす。
選定の承認も自分は求めない。
公開前なら、選び間違えても作り直すだけで損害が出ないからだ。
人が入る回数を減らすほど、人が入る場所の重みが上がる。
書かせる前に、書いていいことを決めた
AIに渡すのは3つだけ。
発注書(毎回そのまま渡す1枚)、手本(クラスタの1本目だけ)、今回の材料(その温泉地の宿7軒の事実)。
発注書には、骨格・広告表示・冒頭の情景・比較表・宿の紹介……と節ごとに規則が並んでいて、1行ずつに `K-83` のような番号が振ってある。
番号があると、差し戻すときに「K-83に反している」と指せる。
文章で「もっと自然に」と言うより、はるかに直りが速い。
字数の上限は設けていない。
長いことを理由に規則を削らない、と決めた。
必要な規則は何字になっても載せる。
4つの検査が全部ゼロになるまで、報告させない
生成そのものは6本で6〜7分で終わる。
そのあとに検査が4つある。
| 見ているもの | |
|---|---|
| ② 材料の照合 | 材料に書いた事実が、楽天の宿ページと合っているか |
| ④ 記事の照合 | 記事に書かれた事実が、材料にあるか |
| ⑥ 監査 | 6本の重複・骨格の崩れ・広告表示の欠落など |
| ⑧ 診断の照合 | サイトの宿診断に登録するデータに根拠があるか |
この4つが全部0件になるまで、自分には報告が来ない。
★(違反の印)が1つでも残っていたら、その記事を作り直す。
1周で0件になる回もあれば、何周かかかる回もある。
ここまでやるようにしたのは、監査を作る前の実測がひどかったからだ。
直近18本のうち13本が、自分で決めた差し戻しのラインを超えたまま公開されていた。
★を残したまま公開するのは「今回だけ急ぐ」ではなく、監査を持っていないのと同じ状態になる。
公開だけは、自動にしない
止まる場所も決めてある。
公開は不可逆で、間違った記事は読者を誤らせるから、ここだけは自分が「公開して」と言うまで打たせない。
そのうえで、公開できる条件は5つ。
6本そろっている
全部が下書きになっている
アイキャッチが6枚ある
監査★0
材料の照合0件
1つでも欠けたら公開しない。
しかも監査と照合はその場で回し直す。
前に通った結果は持ち回らない。
「文章に書いた条件は、条件ではない」
この5条件のうち「アイキャッチが6枚ある」は、事故のあとで足したものだ。
銀山温泉の6本を、アイキャッチ無しのまま公開してしまった。
原因は3つ重なっていたのだけれど、いちばん効いたのはこれだった。
「アイキャッチ6枚あり」は、自分たちの計画書に文章として書いてあっただけで、実装されていなかった。
だから何も止めなかった。
書いてあることと、動いていることは違う。
この一行は、いま自分がいちばん戒めにしている(とclaude codeが言っている)。
規則は、足すときより減らすときが危ない
規則が増えると文書がつぎはぎで膨らむので、思いついた規則は必ずこの順で振り分けることにした。
- 機械で検査できるか → できるなら検査スクリプトへ。文書には書かない
- これからずっと全部に効かせるか → 発注書に1行足して番号を振る
- 今回の温泉地だけの話か → 今回の材料に書く
どれにも当てはまらないものは足さない。
そして減らすほうには、条件を1つだけ残した。
外していいのは、機械が同じ検査を引き取ったときだけ。
しかもその検査を、正しいデータと壊したデータの両方に当てて、通す・止めるが両方とも意図どおりに動くのを確かめてからにする。
見張りが人からコードへ移るだけで、検査そのものは1つも緩めない。
わざわざこう決めたのは、実際に間違えたからだ。
溜まった規則の棚卸しをAIにやらせたとき、13体のAIが全員そろって「実際の記事で違反が0件だから、この規則は落としていい」と判定した。
もっともらしいけれど、逆だ。
違反0件は規則が効いている証拠であって、外す根拠ではない。
数が多いほうが正しいわけでもない、といういい例だった。
書くAIには、道具を持たせない
記事を書かせているAI(chatGPT codex)には、楽天にもWordPressにもファイルにも触らせていない。
材料は全部こちら(claude)から渡して、書いた文章だけを受け取る。
取ってくる・保存する・確かめるは、こちら側の道具が持つ。
安全のためでもあるし、おかしくなったときに原因が絞れるからでもある。
文章がおかしいなら発注書か材料、データがおかしいならこちらの道具。
混ざらない。
そのかわり、2本目以降には「すでに書いた5本が使った書き出しの情景・締めの一文・比べる軸・宿を推した理由」を渡す。
ここを渡さなかったのが、さっきの「白銀橋が3本に出た」回だった。
で、結果は出たのか
正直に書くと、まだ分からない。
566本のうち86%が直近5週間のもので、Googleがまだ評価していない。
1本あたりの表示回数は、3月に出した記事が21.9回、7月ぶんが6.7回、8月ぶんが1.1回。
中身の良し悪しではなく、単に時間の関数として並んでいる。
だからいまタイトルを直しても、直した効果を測る母数がない。
ここは4〜8週間待って、データが乗ってから書くことにした。
急いで判断しないのも、止める仕組みのうちだと思っている。
まとめ
5週間で486本出すためにやったのは、速く書かせることではなかった。
- 1温泉地=6本をセットにして、重複が見える形にした
- 書かせる前に発注書を作り、規則に番号を振った
- 4つの検査が0件になるまで報告させない
- 公開だけは自動にしない。条件5つのうち1つでも欠けたら出さない
- 文章に書いた条件は条件ではない。実装していないものは何も止めない
- 規則を外していいのは、機械が同じ検査を引き取ったときだけ
速くなった理由は、AIが速いからではなく、やり直しが減ったからだ。
作らせる仕組みより、止める仕組みのほうに時間をかける価値がある——これが、566本を出してみて分かったことになる。
温泉ランド.com 温泉旅行を考えている方はぜひ覗いてみてほしい。
そして、なにか違和感や気になることがあれば遠慮なく指摘してくれると嬉しい。
直させるときのほうが事故が多かった話は
→記事をAIに1か所だけ直させたら、頼んでいない場所が破綻した話






