「温泉に行きたい。でも、どこにしよう」。6問で行き先を出す診断を、ブログに組み込んだ

温泉ランド.com(楽天トラベルのアフィリエイトブログ)は、いま公開626本になった。
温泉地は91か所載っている。

それだけ書いてから気づいたことがある。
このサイトには、行き先が決まっていない人の入口が無い。

記事はどれも「箱根の宿を選ぶ」「草津で夕食のいい宿を探す」という形をしている。
もう行き先が決まっている人には効くけれど、「温泉に行きたい。でも、どこにしよう」の状態の人は、そもそも検索する言葉を持っていない。

その人はうちのサイトに辿り着かないし、辿り着いても91か所の一覧を見せられて終わる。

そこで、6つの質問に答えると全国の温泉地から1つ(+次点2つ)を出す温泉地診断を作った。
実物はここにある。

あなたにぴったりの温泉地は?|6つの質問でさがす

コードはいつもどおり全部AI(Claude)に書いてもらって、自分は注文とダメ出しをする係。
宿カードを出すWordPressプラグイン(前に書いた話)に機能として足した。

聞いているのは6つだけ

どこから出発するか。片道どのくらいまでならいいか。誰と行くか。予算。温泉地の空気感(にぎやかな温泉街か、人けの少ない山あいか)。今回いちばん大事にしたいこと(湯・景色・街歩き・宿でのんびり)。

前半2つは絞り込みに使い、後半4つは点数にしている。首都圏から片道2時間と答えた人に九州を出しても仕方がないので、そこは点数で競わせずに最初から外す。逆に「誰と行くか」や「大事にしたいこと」は、外すのではなく順位に効かせる。

質問を6つに抑えたのは、途中でやめられたら意味が無いからだ。所要1分ほど、と書いてある。

同じ答えをしたら、必ず同じ結果が出る

作るときに最初に決めたのは、乱数を使わないこと。

点数が並んだときは、近いほう・予算が近いほう・空気感が近いほう……と順に見て、それでも決まらなければ固定の順で決める。
つまり同じ回答からは常に同じ温泉地が出る。

診断ものはランダムを混ぜたほうが「もう一回やってみよう」となる。
でも、もう一回やって違う答えが出たら、1回目も2回目も信じられなくなる

ここは回遊より信頼を取った。
当たっているかどうかは読者が決めることだけれど、少なくとも「毎回言うことが変わる相手」にはしたくなかった。

候補が足りないとき、無理に埋めない

条件を絞ると、当てはまる温泉地が数えるほどしか残らないことがある。

このとき候補を規定数まで埋めようとすると、条件から外れた温泉地を混ぜることになる。
そうはせず、まず絞りを1段だけ緩めて探し直し、それでも足りなければ少ないまま出すようにした。

予算から離れた温泉地を混ぜて「あなたにぴったり」と言うより、正直なほうがいい。

予算は、点数ではなく約束として扱う

これは何回か直した話。

最初、予算は他の項目と同じ「加点」だった。
すると「1万円まで」と答えた人の1位に、3万円台の温泉地が出た。

ほかの条件がよく合っていたから。
点数の上では正しいけれど、読者から見れば答えを無視されている。

いまは、選んだ予算より大きく上の温泉地は候補から先に外す
予算は「好み」ではなく「守ってほしい制約」だと考え直した。

ただし外しすぎて候補が尽きないよう、残りが少なければ1段だけ上を許す。
ここも、埋めるためではなく、出せる範囲で正直に出すための線引きにしてある。

理由は、必ずその人の答えを引いて書く

結果画面には、なぜその温泉地なのかを数行で出す。

ここで気をつけたのは、当たり障りのない一般論にしないことだった。
「自然に囲まれた癒やしの湯」みたいな文は、どの温泉地にも書ける。

なので理由文は、その人が選んだ答えを必ず引用する形にした。
「落ち着いた湯の町」を選んだ人には、その言葉を使って書く。

そして、希望と実際がズレているときは「合っている」と言い張らない。

ご希望より少しにぎやかですが、店が並ぶにぎやかな温泉街。ほかの条件がよく合っていました。

こう出す。

ズレを黙って推薦すると、行った先で「話が違う」になる。
先に言っておけば、読者が自分で判断できる。

泉質も同じ考えで、書くのは泉質名だけにして、効能は書かない(薬機法があるし、そもそも自分が確かめられない)。

3か月間、持っていないデータについて書いていた

いちばん恥ずかしい失敗も書いておく。

結果画面には、ずっとこう出していた。

宿の中心価格帯は1泊2食で1-1.5万円ほど(目安)

この「1泊2食の価格」を、実はAIが一度も取得したことが無い。
手元にあるのは楽天から取れる各宿の最安プランの金額だけ。
それなのに、それらしい数字が3か月ほど画面に出ていた。

直すときも一度しくじった。
最初は最安プランの幅をそのまま出す形にしたのだけれど、スイートや離れのある宿がいると上限が青天井になる。

実際に測ったら16エリアで5倍以上に開いていて、仙石原は9,500〜75,020円。
正しい数字だけれど、これを見せられて予算の判断はできない。

いまはこうしている。

宿の料金は最安プランで9,500円から

下限だけを出す。
「この温泉地はいくらから泊まれるか」は確かな情報だし、読者が最初に知りたいことでもある。

持っている数字だけを書く、というだけの話に戻った。

サーバーに聞きに行かない

作りの話をひとつ。

判定はぜんぶブラウザの中で終わっていて、答えをサーバーに送っていない
回答そのものはどこにも保存していない
(GA4で「診断を始めた」「結果まで来た」「結果からどの温泉地の記事へ進んだか」は測っている。この3つを見ないと、置いた意味があったのか分からないため)。

副産物として、この作りは壊れにくい。

サーバーに問い合わせないので、セキュリティの仕組みにもキャッシュにも楽天のAPIにも触れない。
温泉地が増えたときも、プラグインを差し替えずにデータだけ足せるようにしてある。

いま温泉地は91か所。記事を書くたびに1件ずつ増えていく。

「まだ決めていない人」にだけ案内する

診断への入口は、記事の末尾に自動で出している。
ただしエリアガイド記事にだけ

「おすすめ宿7選」や「1泊2日モデルコース」を読んでいる人は、もう行き先を決めている
その人に「あなたに合う温泉地を診断します」と出すのは邪魔なだけだ。
読者がどの段階にいるかで、出すものを変えている。

これも記事を1本ずつ編集したわけではなく、条件に当てはまる記事へ自動で付く形にした。
今後増える記事にも勝手に付く。

やめる条件を、置く前に決めた

最後に、これがいちばん自分では効いたと思っていること。
公開する前に、撤去する条件を決めて書いておいた。

  • 公開2か月で、診断を始めた回数が月100未満 → 導線を見直し、それでも増えなければ撤去
  • 始めた人のうち結果まで来た割合が40%未満なら → 質問が多すぎる。減らすか撤去
  • 結果からエリアガイドへ進む率が、トップのエリアタイルより低ければ → 診断を挟む意味が無いので撤去

自分で作ったものは、たいてい可愛くなって残してしまう。
だから判断の基準を、期待でいっぱいのうちに書いておくことにした。
数字はGA4の3つのイベントで測れる。

公開は8月4日なので、まだ9日。効いたかどうかは、まだ言えない。
基準日が来たら数字を見て、そのとき残すか減らすか消すかを決める。
結果はまた書く予定。

まとめ

  • 91の温泉地から、6問で1つ(+次点2つ)を出す診断を作った
  • 乱数を使わない。同じ答えなら同じ結果。毎回違うことを言う相手にはしない
  • 候補が足りないときに無理に埋めない。少ないまま正直に出す
  • 予算は点数ではなく制約。1万円までと答えた人に3万円台を1位で出さない
  • 理由はその人の答えを引用して書く。ズレているときは先に言う
  • 持っていないデータについて書かない(1泊2食の価格を3か月出していた)
  • 案内するのはまだ行き先を決めていない人にだけ
  • 置く前に、やめる条件を決めておく

診断そのものは、正直そんなに難しい仕組みじゃない。
時間を使ったのは、外れたときにどう振る舞うかを決めるところ。

候補が足りないとき、希望とズレたとき、持っていない数字を聞かれたとき。
そこで格好をつけないほうが、たぶん最後まで読んでもらえる。

温泉選びに迷っている方は、ぜひ一度試してみてほしい。
温泉ランド.com