茶色のジャケットを試着すると、友人がすごく気に入ってくれた。そして、誕生日のお返しに、そのまま買ってくれることになった。2026年9月28日、渋谷ヒカリエでのことだ。
ジャケットは、イギリスのバブアー(Barbour)というブランドの「ビデイル」というモデルだった。店に入ったとき、僕はそこがバブアーの店だということも知らなかった。

家具を見に行った日だった
その日、渋谷へ行ったのは、服を買うためではなかった。仲のいい友人が引っ越すので、家具を一緒に見てほしいと頼まれていた。
LOWYA の展示場で、ベッドなどを見た。思ったより早く見終わったので、すぐ近くのヒカリエにも寄ることにした。ヒカリエにも、家具やインテリアの物を置いている店がある。
そこへ向かう途中で、ある店の前を通りかかった。「ちょっとここ、雰囲気いいね」と言って、ふたりで寄ってみた。それがバブアーの店だった。いろいろ見て、いろいろ着させてもらううちに、友人が1着をすごく気に入ってくれた。
友人の誕生日を、僕は去年も今年も祝っていた。友人のほうは、僕の誕生日をまだ祝えていないことを気にしていたらしい。そのお返しに、ということだった。
高めの買い物なので、どうしようかなと少し思った。でも、値段はあまり気にせずに贈りたい、という気持ちがすごく伝わってきた。僕も、それだけのことはしてあげれてたかな、と自問自答した。
いろいろな相談を受けたりもしていたけれど、そのたびご飯などをご馳走にもなっているしなぁって思ったりもした。ただ、単純にかっこいい服だったし、素直に気持ちが嬉しかったのでプレゼントしてもらおうと思えた。それで、「ありがとう」と受け取った。
そのあとは食事をして、シーシャのお店に寄り、最後にカラオケに行った。カラオケの部屋でジャケットを出して、ちょっとしたファッションショーをした。友人にも着てもらった。男物を少し大きめに羽織る形になったけれど、それがかっこよくて、すごく似合っていた。
僕が買ってもらった側なのに、贈ってくれた彼女がすごく嬉しそうにしてくれて、僕まで嬉しくなった。
この記事では、もらったジャケットのことを、あとから調べた話を書く。店員さんに聞いた話や、YouTube の動画で知った話を、公式サイトや、ジャケットに付いていたラベルで確かめ直した。調べものは、ふだん使っている AI(Claude)に手伝ってもらった。友人には、記事にすることの了解をもらっている。
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バブアーの名前は、仕事で聞いたことがあった
バブアーという名前だけは、前から知っていた。
僕はリサイクル品の訪問買取をしている。8年くらい前に、バブアーのジャケットを売りに出してくれたお客さんがいた。ワックスジャケットではなく、普通のコーデュロイのジャケットだったと思う。そのお客さんから、「伝統のあるイギリスのブランド」だと聞いた。
知っていたのは、それくらいだった。ワックスジャケットのイメージは、全くなかった。
ワックスジャケット(ワックスを染み込ませた綿の上着)なら、別のブランドのものを持っている。FRANK LEDER(フランク リーダー)というブランドのものだ。買ったばかりのころの写真が残っていて、日付は2014年2月23日だった。もう12年ほどの付き合いになる。

FRANK LEDER のほうは、裏地がほとんど無い。そのぶん、ビデイルより断然軽い。ただ、生地はとても硬い。買ったばかりのときは、写真のようにジャケットだけで立つほどだった。僕はその硬さが気に入っている。
硬さのもとは、「ジャーマンレザー」と呼ばれる生地だ。ドイツ語では「Deutschleder(ドイチュレダー)」という。名前にレザー(革)とあるけれど、革ではない。綿を密にぎゅっと織った、重くて丈夫な生地で、もとは大工の作業着のために作られたそうだ。FRANK LEDER では、この生地が看板の1つになっている。
ビデイルは、裏地があるぶん重い。生地はしっかりしているけれど、FRANK LEDER ほど硬くはない。同じワックスジャケットでも、ずいぶん違う。
店では、店員さんに「ワックスジャケットといえばバブアー」だと教わった。
ビデイルとスペイで迷った
店で迷ったのは、ビデイルとスペイの2つだった。
スペイは、色味と、丈の短さがかっこよかった。ビデイルは、形と色味がかっこよかった。店員さんが「どっちも着てみていいよ」という感じだったので、両方を着させてもらった。どちらもかっこよかった。でも、ビデイルのほうが自分にしっくりきた。
色も、ほかの色をいくつか着てみた。その中で、ブラウンがいちばんしっくりきた。
あとで調べると、2つは生まれた目的が違った。ビデイルは乗馬用で、スペイは釣り用だった。
スペイは、バブアーで初めての釣り用のジャケットだ。登場した年は、英国の公式サイトでは1981年、日本の公式サイトでは1980年になっている。日本の公式サイトによると、丈が短いのは、腰の下まで川に浸かって釣りをするためだそうだ。
丈の差は、日本の公式サイトのサイズ表で約16cmあった。ビデイル(レギュラーの38)が76.2cm、スペイ(M)が60cmだ。値段は、日本の公式オンラインストアの2026年10月12日の表示で、ビデイルが70,400円、スペイが68,200円(どちらも税込)だった。
スペイの胸には、金属の輪が付いている。動画では「釣り針を掛けておく輪」と説明されていた。公式の説明は、もう少し控えめだった。英国の公式サイトは「釣りの名残」とだけ書いている。米国の公式サイトは、もとは釣った魚をすくう網を下げるための金具だとしていた。
サイズは40にした
僕は身長173cm、体重76kgで、レギュラーの40を選んだ。着てみると、少し大きめだけど、ちょうどいい感じだった。そのときは、下にワイドのスラックスをはいて、上に濃いめのブラウンのシャツを着ていた。ゆったりした型(オーバーサイズ)とは、着比べていない。
日本の公式サイトのレギュラーの目安では、40(Lサイズ相当)は身長175cmくらいまでとなっている(2026年10月の表示)。僕の選び方は、ちょうど目安どおりだった。
面白かったのは、サイズの勧め方が国によって違うことだ。米国の公式サイトは、重ね着のために、いつもより大きめを勧めている。ドイツ語版の公式サイトは、ゆったりしているので、場合によっては1つ小さくてもいいと書いている。日本の公式サイトは、ゆったり着たいならワンサイズ上、としている。どれか1つが正解というより、中に何を着るかで決めればいいのだと思う。
帰ってから、動画を見あさった
買ってもらったことでなんだかうれしくて、所有欲というか、もっとこのビデイルについて知りたい!となった。家に帰ってから YouTube でバブアーやビデイルの動画を見あさった。たくさん見すぎて、どの話がどの動画だったかは、もう覚えていない。
いちばん「へえ」と思ったのは、公式が古いバブアーを集めて、直して売っているという話だった。ロイヤルワラント(イギリス王室の御用達)の話も印象に残った。ただかっこいいだけじゃなくて、伝統のあるものづくりなんだな、と感じた。モデルごとに、元になった用途があるという話も面白かった。
ただ、動画の話の中には、公式の説明と少し違うものもあった。ここからは、知った話を1つずつ確かめていく。言い切るのは、公式サイトや、手元のジャケットで確かめられたものだけにした。
ブランドは1894年、イギリスの港町で始まった
バブアーは1894年に、スコットランド出身のジョン・バブアーが、イングランド北東部の港町サウス・シールズで始めた店だ。最初のお客さんは、船乗りや漁師だった。売っていたのは、油を引いて雨をはじくようにした服だった。
いまも家族で経営していて、5代目になる。会長はマーガレット・バブアーで、娘のヘレン・バブアーが副会長を務めている。本社と工場は、いまもサウス・シールズにある。
日本では、2022年の秋冬から、伊藤忠商事が輸入販売権を持ち、バブアー パートナーズ ジャパンという会社が販売している。もらった冊子の裏表紙にも、この会社の名前があった。ヒカリエの店は「バブアー 渋谷ヒカリエ内ShinQs店」という直営店で、2025年3月に開いた店だった。
ビデイルは、乗馬のためのジャケットだった
ビデイルは1980年に、マーガレット・バブアーが乗馬用に作ったジャケットだ。バブアーで初めての、丈が短くて軽いジャケットだった。名前は、イングランド北部のヨークシャー・デイルズの入り口にある、ビデイル(Bedale)という市場町からとっている。
店員さんも、「もともと乗馬をする人用に作られたから、サイドベントがある」と教えてくれた。これは公式の説明と合っていた。
英国の公式サイトのビデイルの紹介ページには、短い丈は鞍のことを考えて決めた、と書いてある。背中の割れ(ベント)は、馬と人の動きに合わせて開くように付けたそうだ。日本の公式サイトは、この割れを「スナップボタン仕様のサイドベンツ」と呼んでいる。
僕の1着では、割れは背中の両脇に1本ずつあった。どちらも、スナップ1つで留められる。


ほかにも、乗馬や外での暮らしから来た作りがいくつもある。日本の公式サイトの説明と、僕の1着を見比べてみた。
- 前のファスナーは、上下どちらからも開けられる真鍮のダブルジップになっている。上の引き手がリングになっているのは、手袋をしたままでも開け閉めできるようにするためだそうだ。リングには「Barbour」の刻印がある。
- コーデュロイの襟を立てると、あごの下をベルト(チンストラップ)で留められる。
- 袖口の内側に、風を防ぐリブ編みが付いている。
- 前の大きなポケットには雨蓋があり、底には水を抜く小さな金属の穴が2つある。その上から手を入れるポケットは、内側が起毛した綿で、さわると温かい。
- 内側の腰から下は、裏地が黒い布になっている。品質表示を見ると、裏地の上部は綿100%、下部はポリエステル100%だった。英国の公式サイトは、乗馬向けの作りの1つとして、内側の「ドリップストリップ」という帯を挙げている。たぶん、これのことだと思う。



買ったときに付いてきた日本語の冊子には、「高濃度アンモニアの動物汗は布地やプルーフを傷めることになります」という一文もあった。乗馬用らしい注意で、馬の汗のことだと思う。
店では、各色のフードが、それぞれ単体で折りたたんで棚に並んでいた。はじめは、それがフードだと分からなかった。調べると、日本の公式オンラインストアに「ワックス デタッチャブル フード」という商品があった。2026年10月13日の表示で、11,000円(税込)だった。襟元にスナップのあるジャケットに付けられるという。僕のビデイルも、襟の後ろにフード用のスナップが2つ付いていた。

買ったときには、店員さんが緑と金のピンバッジを一緒に付けてくれた。非売品だそうだ。

動画では、ビデイルには細身・ふつう・ゆったりの3つの型があると聞いた。2026年10月の日本の公式サイトで出ていたのは、レギュラーとオーバーサイズの2つだった。細身の「SL」は、2026年秋冬の品ぞろえには見当たらなかった。
「毎年出ていて、少しずつ変わる」という話もあった。日本の公式サイトの商品ページには、「シーズンごとにカラー展開が異なります」とある。毎年変わるのは、まず色ということらしい。
タグとラベルを読むと、僕の1着のことが分かった
ジャケットに付いていたタグとラベルも、1枚ずつ見てみた。
日本の品質表示には、「262MWX0018」という品番と、「BRW」という色の記号、サイズの「40」が書いてあった。日本の公式サイトでも、色はこの記号だけで、ブラウンの名前は出てこない。

ところが、英国の下げ札には色の名前が書いてあった。札には「Barbour Bedale Wax Rustic」とある。僕のブラウンは、英国では「ラスティック(Rustic)」という色だった。英国の公式サイトには、ブラウン系のビデイルが2色ある。もう1色は「バーク(Bark)」だ(2026年10月13日の表示)。

内側のメインラベルには、「MADE IN ENGLAND」とあった。日本の公式サイトの少し前の特集には、英国で作っているビデイルは「クラシックビデイル」だけ、という説明があった。でも、僕の1着は英国製だった。時期や品番によって違うのかもしれない。すべてのビデイルが英国製かどうかは、分からない。

王室の紋章は、僕のラベルには無かった
動画でよく聞いたのが、ロイヤルワラントの話だ。イギリス王室から御用達の認定を受けると、その王族の紋章を商品に付けられる。バブアーは、それを3つ持っている珍しいブランドだと紹介されていた。
調べると、3つは昔の話だった。
バブアーは、1974年にエディンバラ公から、1982年にエリザベス女王から、1987年にチャールズ皇太子(いまの国王)から、認定を受けている。3人そろって授かった、数少ないブランドだった。
その後、エディンバラ公は2021年4月に、女王は2022年9月に亡くなり、その名義の認定は効力を失った。皇太子の分も、2022年9月8日に国王になったことで区切りがついた(戴冠式は2023年5月6日)。そして2024年5月に、バブアーは国王チャールズ3世から、改めて認定を受けている。2026年10月の時点で確かめられたのは、国王からの1つだ。
英国王室の公式サイトによると、認定は会社そのものではなく、会社の中の個人に、最長5年の期限つきで出される。得られるのは、紋章を掲げる権利だけだという。
古着が好きな人の間では、ラベルの紋章の数で、作られた年代の見当をつけるそうだ。授かるたびに1つ、2つ、3つと増えて、また減っていくからだ。ただ、これは古着店の経験から来た目安で、公式の表があるわけではない。
それで、自分のラベルを数えてみた。上の写真のとおり、紋章は1つも付いていなかった。
もともとロイヤルワラントにくわしくなかったので、「あ、そうなんだ」くらいの気持ちだった。調べると、日本の公式サイトの2026年モデルの商品ページに、「ロイヤルワラントは、製造時期によって有無がございます」と書いてあった。同じ2026年モデルでも、紋章のあるラベルと無いラベルがあるらしい。僕の1着が紋章の無い理由は、公式には書かれていない。
裏地のタータンにも、名前があった
ジャケットの裏地は、タータン(スコットランドの格子柄)になっている。裏地のラベルには、「The Original Barbour Tartan」とあった。茶色の地に濃い色の太い帯があり、白・黄・赤の細い線が入っている。

バブアーが自分たち専用のタータンを作ったのは1998年で、これが最初の「クラシックタータン」だ。デザインは、エディンバラのキンロック・アンダーソンという会社が手がけた。その後も、柄は何種類か増えている。
日本の公式サイトには、本体の色ごとに、どの柄の裏地かを示した表がある。ただ、そこにブラウンは載っていなかった。そこで、スコットランドのタータン登録簿を見てみた。「Barbour」という柄の説明は、茶と紺の地に、白・金・赤の線、となっていた。僕の裏地も、そう見える色の組み合わせだった。
動画では、「タータンは管理会社が柄の名前まで決めている」と聞いた。パッと見は似たような柄にも、色や線の幅の違いで、ちゃんと名前がある。バーバリーのような伝統のある会社の柄も、そうやって管理されている。そのことが、面白くて素敵だなと思った。
調べると、似た柄にもそれぞれ名前があるのは本当だった。ただ、仕組みは少し違った。
スコットランドには、2009年にできた公的なタータンの登録簿がある。運営しているのは会社ではなく、スコットランドの政府機関(スコットランド国立記録局)だ。登録は申請制で、柄の名前は申請する側が決める。登録料は150ポンドで、登録しても、著作権や商標のような権利は生まれない。バブアーの柄も、「Barbour」「Barbour Dress」という名前で載っている。
バーバリーのチェックも登録簿に載っているけれど、守っているのは商標のほうだ。バーバリー自身は、自分たちのチェックを「タータンではない」としているそうだ。
ワックスの手入れ
塗り直しは、4〜5年か、年1回か
店員さんは、こう教えてくれた。本当に20年以上着られるジャケットで、4〜5年に1回くらいワックスを入れ直せば、あまり劣化せずに着ていける。代官山の店には、アイロン台のような、温まる大きな台がある。そこで入れ直す人が多い、という話だった。
公式サイトの手入れの案内を見ると、目安は「年に一度(着用頻度によります)」だった。日本・英国・米国の公式サイトとも、年に1回となっている。
数字だけを見ると、ずいぶん違う。でも、ジャケットの内側に縫い付けてあった英語の手入れラベルを読むと、2つの話がつながった。
ラベルには、年数は書いていなかった。どのくらいで塗り直しが要るかは、着る量と使い方による。だから、月に1回くらい、ワックスがすり減って乾いたところがないか確かめてほしい。特に、肩や縫い目、ポケット、袖のしわのような、こすれやすいところを見るように、とあった。付いてきた日本語の冊子も、「リプルーフの頻度は製品の着用方法により異なります」と書いている。

つまり、何年ごとと決まっているわけではなく、着方しだいということらしい。よく着る人なら年1回、ときどき着るくらいなら、もっと間があいてもいい。公式サイトの「年に一度」も、その幅の中の目安なのだと思う。
僕は、公式はいちばんいい状態を保つための目安を言うものだと思っている。だから実際は、4〜5年くらいでもいいんじゃないかな、とも思う。それに、乾いたところを見てあげるくらいの手間は、かけたくなるジャケットだ。
塗り直しを頼める店
日本で公式に塗り直しを頼めるのは、代官山店と堀江店の店頭だ。ヒカリエの店は、受け付ける店に入っていない。料金は、ビデイルのような短い丈で4,000円(税別)となっている。受け取りは受付から1か月ほどで、郵送では受け付けていない。対象は、国内の正規品だけになる(いずれも2026年2月の日本の公式サイトのお知らせ)。
店員さんの言う「温まる大きな台」は、公式の案内にある「常設のリワックステーブル」のことだと思う。案内では、店のスタッフが1着ずつ仕上げることになっていた。僕は代官山の店で自分でやってみたいと思っていたけれど、客が自分で塗れるかどうかは、案内には書いていなかった。
冬の終わりには、店で塗り直しを見せてくれる催しもある。2026年は1月から3月にかけて、高輪・代官山・堀江の店で開かれていたみたい。
家で塗ることもできる。公式の塗り直し用のワックスは「ソーンプルーフドレッシング」という名前で、200mlの缶に入っている。日本の公式オンラインストアでは、4,400円(税込、2026年10月13日の表示)だった。ビデイル1着で、だいたい半分を使うそうだ。缶を湯せんしてワックスを溶かし、スポンジで重ねて塗り、暖かい部屋で一晩乾かす。そういう手順が、日本の公式サイトに載っている。
電車では、裏返して持つ
動画では、「混んだ電車では脱いで、表を内側にして畳んで持つ」と勧めていた。ワックスが、ほかの人の服に移らないようにするためだ。
これは、手元の冊子にほぼそのまま書いてあった。冊子には「電車や自家用車などの乗り物に乗車する際は着用を避けてください」とある。そして、ワックスの面がほかの素材に触れないように、ジャケットを裏返してほしいという。長く着ていると、パンツやスカートに移ることがある、とも書いてあった。

匂いは、全くしなかった
昔のワックスジャケットは匂いが強かった、と動画では言われていた。満員電車で嫌がられた、という昔話も出てきた。
僕のビデイルは、匂いが全くしない。日本の公式サイトも、この生地を「無臭かつベタ付きも極力抑えられている」と説明している。ただ、家に帰ってからいろいろ触ってみると、手に少しワックスが付いた。「あ、これがワックスか」と思った。店で見ているぶんには、全く気にならなかった。
ブラシと、しまい方
動画では、帰ったらまずブラシで表面のほこりを落とすこと、しまうときは風通しがよく光の当たらない所に置くことを知った。どの服にも言えることかもしれない。でも、ワックスが付いているぶん、扱いが少し難しいものなのかなとも思った。
冊子にも、汚れやほこりはブラシでよく払い落とし、水を含ませたスポンジで軽く拭くように書いてあった。洗濯機やドライクリーニングは、ワックスが抜けてしまうので使えない。しまうときは、クローゼットの中でほかの服に直接触れないようにして、通気性のよい布をかぶせておく。
手間はかかる。でも、それだけの手をかけたくなるジャケットだと思う。
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古いバブアーを、公式が直して売っている
動画で知って、いちばん「へえ」と思ったのがこの話だ。
バブアーは2019年から、「Re-Loved(リラブド)」という取り組みをしている。英国では、着なくなったワックスジャケットを店で引き取り、自社の工場で直して、ワックスを塗り直し、一点物として売っている。
日本でも、2024年4月から直営店で始まった。アジアでは初めてだという。持ち込んだ人には、ワックスジャケットを買うときに使える15%引きのクーポンが出る。日本の再生品には2種類ある。傷んだところを直した「CLASSIC RE-LOVED」と、デザインを変えたり、ほかのジャケットの部分を組み合わせたりした「SUPER RE-LOVED」だ。動画で見た、落ち着いたパッチワークのような見た目は、SUPER のほうだと思う。一点物というのは、やっぱり惹かれる。欲しくなってしまう。
2026年の引き取りは、8月31日で終わっていた。引き取りをした店の中には、ヒカリエの店も入っていた。
塗り直しと修理のサービス自体は、1921年から続いているそうだ。2021年に、100年を迎えている。
モデルごとに、生まれた理由がある
動画で面白かったのは、モデルごとに元になった用途があることだった。ビデイルは乗馬で、スペイは釣りだ。ほかにも、こういうモデルがある。
- ビューフォート(1983年)は、フランスの狩猟用の上着をもとに作られた。背中に、獲物を入れる大きなポケットがあって、拭けるようにナイロン張りになっている。丈は、ビデイルより8cmほど長い。
- トランスポート(1999年)は、マウンテンバイクから考えられたモデルで、歩きと自転車を想定している。
- インターナショナル(1936年)は、オートバイ用のつなぎが出発点だった。
コラボが多いのは意外だった
公式のオンラインストアを見ていて意外だったのは、ほかのブランドとのコラボが多いことだ。店頭には、ポール・スミスとのコラボが並んでいた。日本の公式サイトによると、2026年9月18日に出たのが3回目のコラボだという。
店頭にはジョジョの Tシャツも出ていた。日本の公式サイトの2026年8月のお知らせによると、バブアーで初めての、アニメ『ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風』の Tシャツだ。ブチャラティのスタンドの能力と、バブアーの目印の1つであるリングの引き手を結びつけた、ファスナーの絵柄になっている。値段は11,000円(税込)だった。ジョジョが好きなので、これはすごく面白かった。
「すぐ売り切れる」という話
買うときに、店員さんから面白い話を聞いた。ビデイルなどのワックスジャケットは、入荷してから数週間で売り切れてしまうことがほとんどだという。大体10月には売り切れていて、翌年の入荷を待ってすぐ買いに来る人も多い。1つの店に2〜3着しか来ないモデルもあるそうだ。
9月28日は、冬物のジャケットを買うには早い時期だった。それでも、店にはまだ結構あった。セールストークかもしれない。でも、見つけたときに買えたら縁もあるし、買うのがいいんじゃないかな、とすごく感じた。
気になって、日本の公式オンラインストアの在庫を見てみた。店の在庫とは別のものだ。2026年10月13日の朝の時点で、レギュラーのビデイルは、多くのサイズが「残り3点」以下の表示だった。僕と同じブラウンの40も、「残り3点」だった。去年の型は、色とサイズの組み合わせ25通りのうち、19通りが売り切れていた。
英国の本社は2026年8月に、ビデイルを作る工場の生産ラインを増やすと発表している。理由は「前例のない世界的な需要」だという(英国の地元紙などの報道)。日本の店にどれだけ届くかまでは、分からない。
10月18日に、また同じ店に行く。9月28日と比べて、どれくらい残っているかを見てくるのも楽しみだ。
着てみた写真と、ライナーベスト
まだ、このジャケットを着て外に出かけてはいない。着た写真は、10月18日に撮る予定だ。
【10/18に追記】
店員さんには、レギュラーのビデイル用のライナーベストも勧めてもらった。日本の公式オンラインストアでは、「フロントジップ ファー ライナー ベスト レギュラーフィット」という名前で売られている。2026年10月13日の表示で、28,600円(税込)だった。ジャケットの内側にファスナーで取り付けるもので、レギュラーフィットに対応している。在庫があれば、10月18日に買うつもりだ。
【10/18に追記】
次の世代へ
ジャケットには、もう1枚、下げ札が付いていた。「WAX FOR LIFE」と書かれた札だ。そこには、こうあった。
Made to be handed down to the next generation
次の世代へ受け継がれるように作られている、という意味だ。

知らずに入った店で、友人にもらったジャケットだった。調べていくうちに、どんどん好きになった。店員さんが言っていたように、本当に長く着られるなら、20年、30年と着ていくのもいいんじゃないかなと思う。スペイも、何年かのうちに手に入れたい。
10月18日のことは、この記事に書き足す予定。今からすごく楽しみだ。
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