好きな曲の話をするとき、「メロディがいい」「雰囲気が好き」で終わることは多い。
もちろんそれも本当だと思う。
僕も歌詞の意味はよく分かってないけど、メロディだけで好きな曲やバンドももちろんある。
例えばHawaiian6とかね。
でも、何度もつい聞きたくなってしまう曲、何年経っても頭から消えない曲になると、そこにはもう少し深い理由があったりする。
僕は、好きな曲を見ると、その人が何を価値として残したいのかがかなり出ると思っている。
歌詞に何を感じるかは、そのまま「何を信じたいのか」「何を救いだと思うのか」「どんな関係を美しいと感じるのか」につながるからだ。
つまり、好きな曲はただの趣味じゃない。
自分の価値観が、かなりそのまま出る場所でもある。
今回は、なぜ好きな曲で自分の価値観が分かるのかを整理してみる。
結論|好きな曲には「自分がどう生きたいか」がかなり出る
好きな曲に反応するとき、僕たちは言葉の意味を全部きれいに理解しているわけじゃない。
それでも強く心に残る曲がある。
それは、その曲の中に自分がすでに大事だと思っているものが入っているからだ。
逆に言うと、歌詞のどこに反応したかを言葉にしていくと、自分の価値観がかなり見えてくる。
たとえば、同じ恋愛の曲でも、刺さる場所は人によって全然違う。
一直線な愛情表現に惹かれる人もいれば、すれ違いの苦しさに惹かれる人もいるし、何気ない日常の描写に惹かれる人もいる。
この違いは、好みの違いというより、何を本物だと感じるかの違いに近い。
好きな曲で見えるのは、まず「何を救いだと思っているか」だ
歌詞を読んでいて、その曲のどこに安心するかを見ると、その人の救いの形が出る。
たとえば、強い言葉で守られることに安心する人もいる。
はっきりした約束に安心する人もいる。
逆に、静かな日常の中で少しずつ関係が続いていく感じに安心する人もいる。
ここで見えてくるのは、「自分はどういう形なら人生が持つと思っているか」だ。
劇的な変化が必要なのか。
それとも、大きく変わらなくても、日々が崩れないことに価値を感じるのか。
この差はかなり大きい。
僕は、最強の正解より、ちゃんと回ることの方に価値を感じやすい。その感覚はこっちの記事でも書いている。
次に見えるのは「どんな関係を美しいと感じるか」だ
好きな曲を見ていると、その人がどんな人間関係を理想としているかも分かる。
ずっと熱量が高い関係が好きなのか。
少し距離があっても成立する関係が好きなのか。
言葉で確認し続ける関係が好きなのか。
何も言わなくても積み上がっていく関係が好きなのか。
ここで大事なのは、何を愛だと思うかじゃなく、何を続く関係だと思うかだ。
好きな曲に惹かれるとき、人はたいてい「こんな関係なら自分は持てる」と思えるものに反応している。
だから歌詞の好みを見ると、その人が人間関係に何を求めているかがかなり見えてくる。
さらに見えるのは「何を無かったことにしたくないか」だ
ここはかなり大きい。
好きな曲の歌詞には、その人が雑に扱われたくないものが出やすい。
何気ない会話かもしれないし、弱さかもしれないし、うまく言えない感情かもしれない。
世間から見ると小さく見えるものでも、自分にとっては消してほしくないものがある。
それをちゃんと拾ってくれる歌詞に出会うと、人は強く反応する。
つまりその反応は、「自分はこれを軽く見たくない」という意思表示でもある。
ここまで来ると、好きな曲はもう趣味の話だけじゃない。
自分の倫理観にかなり近い。
僕が好きな曲に惹かれる理由も、結局ここに戻ってくる
僕自身、好きな曲を深掘ると、いつも同じようなところに反応していることが多い。
大きい成功とか、圧倒的な正しさより、日々の中にある小さい積み重ねに惹かれる。
何も問題が起きない関係より、面倒な感情があっても壊れない関係に惹かれる。
派手な感動より、なんでもないことの中に残る確かさに惹かれる。
たぶん僕は、強い言葉より、あとから見ても残る断片を信用している。
どうでもいい会話、いつものやり取り、ふっとほどける瞬間、そういうものの方が嘘をつきにくいからだ。
だから好きな曲を考えると、結局いつもの自分の判断基準がそのまま出てくる。
弱さや面倒さを消すのではなく、そのまま見て扱う方を選びやすい感覚は、こっちの記事でも整理している。
好きな曲を使えば、自分の価値観はかなり言語化できる
ここで大事なのは、「この曲の意味はこうです」と正解を出すことじゃない。
そうではなく、自分はどこに反応したのかを掘ることだ。
見るべきなのは、たとえばこういうところだ。
- どの感情にいちばん反応したか
- その感情をどんな場面なら信じられると思ったか
- その曲の何を「きれいごとじゃない」と感じたか
- 逆に、どんな表現には冷めるのか
- その曲の中の何を、現実でも大事にしたいと思ったか
ここを見ていくと、自分の価値観はかなりはっきりする。
何を愛だと思っているか。
何を救いだと思っているか。
何なら続くと思っているか。
何を嘘っぽいと感じるか。
このへんは、生活の選び方にも人付き合いにもかなりそのまま出ているんじゃないかな。
曲の好みと、生活の好みは意外とつながっている
これは音楽だけの話に見えて、実際はかなり普段の生活と関係がある。
たとえば、強く主張するものより、近い距離で静かに残るものが好きな人は、生活でも同じ傾向を持っていることが多い。
派手な結果より、じわじわ効いてくるものを選びやすい。
無理に盛り上げるものより、落ち着いて続くものを選びやすい。
僕にとって、香水の好みもかなりそれに近い。
強く分からせる香りより、近い距離で静かに伝わる香りの方がしっくりくる。
それは単に香りの問題じゃなくて、何を美しいと感じるかの問題なんだと思う。
香りの話だけど、主張しすぎないのにちゃんと残るものが好きな理由は、こっちにも書いている。
だから「好きな曲を語る」は、そのまま自己分析になる
好きな曲の話をするとき、趣味の話だと思って軽く扱いがちだけど、実際はかなり深い。
その曲のどこが好きなのかをちゃんと追うと、自分の価値観がかなり出る。
何を信頼するのか。
何を失いたくないのか。
何なら持ちこたえられると思っているのか。
何に希望を感じるのか。
このあたりが、そのまま出る。
だから僕は、好きな曲の話をただの感想で終わらせたくない。
そこにはたいてい、自分の生き方の好みがそのまま入っているからだ。
このシリーズで読める記事
このシリーズでは、好きな曲を通して、その人が何を価値として残したいのかを掘っていく。
今のところ、関係・触れ方・人生の肯定という3つの角度から記事を書いている。
日常の中で笑顔を積み上げながら壊れずに続いていく関係について読むなら、こっち。
星野源「くだらないの中に」が好きな理由|日常の笑顔を希望として積み上げる関係
相手を動かさずに満足が成立する、押し付けない愛情について読むなら、こっち。
米津玄師「眼福」が好きな理由|押し付けない愛情に惹かれる理由
傷や迷いを消さずに、自分で選んでここまで来た人生をどう肯定したいかを読むなら、こっち。
the pillows「Funny Bunny」が好きな理由|自分で選んでここまで来た人生を肯定してくれる
まとめ|好きな曲に反応する場所を見ると、自分が大事にしたい人生が見えてくる
好きな曲で価値観が分かるのは、その曲の中に自分が求めているものが入っているからだ。
救いの形、関係の形、希望の形、無かったことにしたくないもの。
そういうものに、人は反応している。
だから、好きな曲を考えることは、そのまま自己分析になる。
しかも心理テストみたいな抽象じゃなく、もっと具体的だ。
自分がどんな言葉に安心して、どんな描かれ方に惹かれて、どんな未来なら持てると思うのかが、そのまま見えてくる。
もし好きな曲が何曲かあるなら、それぞれの「どこに反応したのか」を並べてみるといい。
まず1本読んでみるなら、日常のくだらないこと、負の感情、笑顔という希望がどう価値観につながるかを掘ったこの記事から入るのが分かりやすい。
星野源「くだらないの中に」が好きな理由|日常の笑顔を希望として積み上げる関係
たぶんそこに、自分が何を価値として残したい人間なのかがかなり出る。
このシリーズでは、そういう見方で好きな曲を掘っていこうと思う。
